一時「ほめ殺し」という言葉がはやりましたが、今回は「はめ殺し」です。気取った設計事務所の図面には「Fix」などと書いてありますが、要するに開閉できない固定窓のことです。良い点は、サッシ枠が四周にしかないので視界や採光性に優れることです。デメリットは引き違い窓などと異なり換気ができないことですが、そもそもの目的が違うので、デメリットとは言えないかもしれません。
窓に求められる機能は視界の確保、換気、採光ですが、これを機能的に分化したデザインもあります。フランスの建築家コルビジェなどは極力窓枠を薄くしたはめ殺し窓と、換気のための木製の小さな扉を組み合わせたデザインをよく使っています。大きなガラスはめ殺し窓の脇や下部にスリット的な木製扉を設け、通風機能を持たせています。大きなガラス面は視界と採光の機能だけで、開口部は非常にスマートになり、コルビジェのミニマルデザインに貢献しています。
最近の住宅やマンションでは、このコルビジェ方式を真似たサッシが多く使われています。大きな開口を図1のような形に区切り、上の大きな部分ははめ殺しにして、下部を引き違いにする方法です。通風と視界・採光を分離した方式ですが、これの欠点は、椅子に座るとちょうど視線の部分に太い無目(むめ=横桟)が来てしまい、せっかくの美しい視界を無骨なアルミ材が横断してしまいます。住宅やマンションは圧倒的に座っている時間が長いのですからこれは困った事です。これを回避するには、図2のような縦長の換気窓を設けます。























