読み解く目線 (21) コトの本質 定借住宅が普及しない不思議
住宅新報 2016年7月5日 号 11面
連載: 読み解く目線
閉塞感が強まる一方の日本に生きる人たちにとって大切なことは何か。まず認識しなければならないことは「従来の延長線上に未来はない」ということだろう。グローバル化の進展、人口減少社会への突入、空き家の増加など日本の社会構造がこれまでとは異なる変化を起こし始めている。そうであれば、逆にこれまであまり注目されなかった手法にこそ成功の鍵があるのではないか。その一つが「定期借地権」だ。
定期借地権制度は92年に発足し、一般定期借地権付き住宅は当初こそブームになったものの、年間供給戸数が6000戸を超えることは遂になく、これまでの累計供給戸数は10万戸弱と見られている。制度発足時の熱い期待に反し普及していない要因は何か。
最大の要因は同制度の発足と共に、いわゆる〝土地バブル〟(土地神話)の崩壊が始まったことである。定期借地権は、土地付きでは庶民がマイホームを手にすることができなくなってしまった状況を打開するためにつくられたのだが、皮肉なことにそのスタートとほぼ同時に地価は下がり始めたのである。






















