首都直下地震などへの備えとして、東京都不動産鑑定士協会として取り組んできた災害時の住家被害認定調査を行う調査員の養成研修が、図らずも熊本地震の被災地で即戦力となった。都の要請を受け、14年から基礎研修を3回(延べ受講者300人)行い、3月に応用研修(40人が受講)を実施したばかりだった。
相談事業委員会副委員長として被災地支援に入った。罹災証明書の前提となるのが住家被害認定調査。都が応援する南阿蘇村の住家被害一次調査(10~12日、12~14日に各2人)を実施。その後、18~20日、更に26~30日には3班、計8人を派遣。「5月は15日間」熊本での支援生活となった。
現在、「精度の高い」住家被害認定調査ができるのは、内閣府のマニュアルに基づいた研修を受けた自治体職員と東京都の不動産鑑定士の一部だけという。
「震災直後の建物の応急危険度判定と、住家被害認定調査では結果が異なる場合も多い。一次調査に不服な人には二次調査を行います。現地では余震で地盤が動くなど判断の難しい状況も出ています。そうした場面での判断基準なども踏まえ、専門職業家の立場から提言も行っていきたい」
南阿蘇村に続き、「隣接自治体からも派遣要請がきた」。住家の被害認定は無被害を除くと一部被害、半壊、大規模半壊、全壊の4段階で判断される。被害認定調査の結果は資産価値や補償と直結するだけに、不動産鑑定士にとって「非常時に国民の役に立ち、存在感を示すことができる」支援であり、「全国に広がる」ことを期待している。
11年前、(有)つかさ不動産鑑定事務所(豊島区)を設立。協会では弁護士、公認会計士、税理士などと共に都内で開く専門士業合同無料相談会や災害対応などを担当。趣味はサボテン栽培とアクアリウム。東京都出身、41歳。 (柄澤浩)























