熊本地震 進まぬ建物修繕、放置も 「工事業者が足りない」
住宅新報 2016年5月17日 号 9面
熊本市中央区の不動産会社ハイコムには、ゴールデンウイーク中盤の5月6日までに、被災者から300件を超える問い合わせが入ったという。ただ、これまでに紹介できた物件は10件程度にとどまる。そもそも、物件自体が少ないからだ。
熊本中心部でも、中には損傷が見られる住宅も多数ある。同社が管理する物件でも280件程度は補修が必要な状況だ。外観上は損傷なく見えるが、内部には大きな亀裂などが入っているケースもあるという。4棟については、あまりにも損傷が激しかったため解体を促した。「とにかく工事補修が追い付かない。入居者も不安だと思う。また、補修してからでないと、空室を紹介することもできない」と不動産事業部長の石田聖一執行役員は語る。
工事業者をなかなか確保できないため、応急措置は自分たちで行いブルーシート掛けに奔走した。ゴールデンウイーク明けからようやく福岡の業者を手配でき本格的な補修に入れる体制となったが、今後、被災者向けに住宅をより多く提供するためには、「建築職人・工事業者がいかに熊本に集まるかどうかではないか」と語る。
ただ、地震保険に入っていないオーナーは多くいるようで、補修費用をどのような形で捻出するかは、もう一つの大きな懸念材料となっている。
「情報共有」できず
同じ中央区の地元不動産会社も、被災者から100件以上の問い合わせがあったが、実際に紹介できたのはわずか6件。管理物件と被災者の希望エリアが合わないケースが多く、更に他社物件を紹介できないことも大きく影響しているようだ。各社とも直接の問い合わせに対応することで精一杯で、「物件紹介できない」といった通知が相次いでいるという。いわゆる不動産仲介の「情報共有」がうまく稼働していない状況だ。
「『原状回復などしなくてそのままでいいから、入居したい』という被災者もいる。その声に応えられないのは残念」と語るスタッフ。今後は更に入居希望者の増加が予想されるが、何とか打開策を見出したいとしている。



























