明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第133回 原点としての日本橋 観光立国へ魅力を高めるには
住宅新報 2016年5月10日 号 4面
【学生の目】
国道1号線の起点で道路網の原点の日本橋に行った。日本橋に立つと真上の首都高は重々しく、息苦しさを感じた。橋桁の圧迫感に加え、通過車両10万台の排ガスも一因だ。交通インフラの役割は重要だが、日本の原点らしい景観でも環境でもない。
日本は観光立国を目指しており、観光は今後の産業だ。15年の外国人観光客は1974万人と前年比47%増加した。開業100年を契機に14年に復元した東京駅(岡部将史「不動産の不思議第127回」16年3月29日号)も観光名所だ。日本橋が東京駅のように昔の姿を回復すれば、回遊性のある歴史的観光エリアができ、近代的に整備されて人気の大手町丸の内エリアとコラボして、都心の魅力を一段と高める。
首都高は1964年のオリンピック開催に向け短期に完成した。民有地を買収して建設すれば同意に時間がかかるため、公有地が利用された。
改善策はまず、都心部に首都高が不要な交通システムを作ることだ。少しずつ進む高速道路の環状ネットワーク整備を加速する必要がある。次に付け替える方法として、ビルと一体化しつつ地下やビル間で首都高をつなぐ立体道路制度(小野史奈「不動産の不思議第109回」15年11月17日号)が注目されている。しかし、ビルを首都高がつなぐ姿は醜悪で、現状と大差ない。また用地買収方式と比べて費用は安いが、首都高で利用するには権利調整に膨大な時間を要し、現実的ではない。
調べると類似例がある。銀座の外周を走る「会社線」は、ビルの屋上を道路が走り、首都高と一体的に利用される。建設費と運営費は道路下の不動産賃貸収入で賄い、通行料は無料だ。60年前に銀座の旦那衆が始めた革新的な方法だ。
ほかに大深度地下法(01年)を使う方法がある。用地補償費が不要で、環状6号線の下の首都高中央環状線などで実績がある。欠点は工事費とランプウェイの造りにくさだ。
工事費を補うために、日本橋の下に広大な地下街を開発する権利を民間に譲渡し、その代金を建設費に回す。地下街は地震に強いから、食糧備蓄や避難場所としても利用できる。ランプウェイは、東京駅近くに計画中のバスターミナルと一体整備する。
都市再生は、公有地、民有地を水平的に区分するのではなく、地下、地表、上空の相互利用が不可欠だ。 (川本和輝 不動産学部2年)
【教員のコメント】
都市開発のフロンティアが空中から地下に向かう。ヘルシンキ、モントリオール、カンザスシティなど、大規模な地下都市の例がある。地下鉄始めすでに地下利用が進んでいるが、本格的な地下利用を見据えたルール作りが求められる。
























