首都圏・春の賃貸繁忙期 3月、契約件数落ち込む 景況感悪化、大きく影響
住宅新報 2016年4月26日 号 1面
アットホームの調査によると、16年春の繁忙期(15年12月~16年3月)における首都圏エリアの賃貸成約件数は9万7980件だった。15年の10万37件と比べて2.1%減。2月の週末に2回の大雪に見舞われた14年(9万8865件)と比べても下回る結果となった。
特に今回は、3月の成約件数に落ち込みが見られた。3月単月におけるここ数年の成約件数の推移を見てみると、12年が3万3390件、13年が3万4795件、14年が3万3615件、15年が3万2850件。これを見ると、3万3000件前後の成約数となっているが、16年の今年は3万273件と大幅に落ち込んだ。不動産会社の声としても、「繁忙期の開始時期が早まり、終わりも早い」(東京・中野)、「出足が早く、2月には終わる」(東京・杉並)、「総契約数は変わっていないが、動きが1カ月早かった気がする」(東京・町田)、「スタートが早く、2月上旬から活発な動きを見せた。3月は静かになった」(東京・船堀)といった意見が多かった。要因としては、「『早く動かなければ、よい物件がなくなる』という意識が一般に定着してきたのではないか。入居予定が3月下旬なのに、1月に来店する人もいる」(東京・菊川)といった分析もあった。
期待通りにいかず
3月を含め、今年の全体的な市況低迷の要因について、アットホーム業務推進部シニアリサーチャーの岩田紀子氏は、「今年に入ってからの景気の落ち込み」と指摘する。同氏によると、15年10~12月における不動産会社の景況調査において、翌期(16年1~3月)の見通しについては高い期待感が示されていたという。この時期は、賃貸市況にも横ばいから光が差し始めてきた感が見え始め、その期待感が1~3月期に出ていたようだが、蓋を開けてみれば期待通りにはいかない結果となった。株価低迷による「景況感、消費マインドの落ち込み」は、日常生活の買い物にも影響する。賃貸住宅の住み替えマインドが活発化するはずもない。また、学生の場合だと「景況感」は親の仕送りに影響する。多少通学に時間がかかっても親元から通わせる、地方だと上京せずに地元の学校に入るといったことにもつながる。今回の春の繁忙期は、必要に迫られた人以外の住み替えが、例年にも増して少ない結果となったようだ。
ただ、エリアによっては活発な動きを見せる声も聞かれた。「繁忙期の市況は比較的よかった。新宿まで20~30分程度の〝江東区ブランド〟が人気だ。ファミリー層の人気が高い」(東京・大島)、「問い合わせが多かった。例年の倍ほどだった。新築が多く供給されたことも影響しているだろう。問い合わせがきても、物件が埋まっていて紹介できないくらいだった」(東京・白山)。また、岩田氏は、「同じエリアでも好調な店舗とそうでない店舗の差がはっきり表れている」と指摘する。集客力や営業力の差が数字となって表れるのであろうが、特に近年はITをいかに効率よく使うかが勝負の分かれ目になるようだ。


























