明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第130回 屋外広告物の規制 状況は不動産価値にも影響
住宅新報 2016年4月19日 号 9面
【学生の目】
地方から首都圏の大学に入学して1年が経ち、都会の生活にも慣れてきた。休日には都内に足を運ぶこともあり、街の雰囲気やまぶしかったネオンや人々の活気に安堵する自分もいる。
街を歩き慣れた余裕か、1つの疑問が浮上した。それは、「建物には形態制限があるが、看板はどうか。また、建築物は敷地境界線からの越境は違反建築物になるが、看板はどうか?」だ。
屋外広告物は、都市景観の重要な構成要素となり、街を訪れた人の案内や誘導をするほか、その街の商業文化度を示す役割も担っている。屋外広告物はまさに、その街の〝パンフレット〟となる役割を果たしている。その屋外広告物が無秩序、大量に表示されるとどんな問題が生じるだろうか。
写真は東京都中央区八重洲の商業地域の状況である。この地域の看板規制を調べた。その結果、良好な景観の形成、風致の維持、危害を防止するために屋外広告物法があり、これを受けて東京都屋外広告物条例があることがわかった。
屋外袖看板等の「建築物から突出する屋外広告物」に対する主な規制は以下のとおりである。(1)地盤面から広告物等の上端までの高さは52メートル以下、(2)道路境界線からの出幅は1メートル以下で、かつ建築物からの出幅は1.5メートル以下、(3)広告物等の下端は、歩車道の区別のある歩道上では地上3.5メートル以上(道路境界線からの出幅が0.5メートル以下の場合は2.5メートル以上)とし、歩車道の区別のない道路上では地上4.5メートル以上、(4)広告物等の上端が建物壁面の上端を超えない、(5)広告物等の構造体は鉄板等で覆うなどして露出させない、である。
看板は建築物と異なり、一定程度まで越境することが認められる。実際に付けられている袖看板はおおよそ規則を守っているが、大きすぎるものもある。一つでも規定以上の大きさの看板が付けられると、規則を守っている看板が見えなくなってしまう。営業に影響があるだけに、正直者が損をしないよう、規則の順守を徹底する必要がある。
不動産学部で勉強している宅地建物取引業の知識では、屋外看板は含まれない。実際に街を歩くと、屋外看板の状況は不動産の価値に影響すると感じる。また、取引に際しては、順法性も正しく説明する必要がある。公共の道路上を使うこともあり、宅地建物取引士の試験範囲としてもよいのではないだろうか。
【教員のコメント】
色とりどりの看板やサインが繁華性のシンボルだったが、場所への案内は携帯電話等の地理情報システムが代替した。これからは到達した際に感じるビルの品格やビル内の案内情報、さらには入居する店舗等のコンテンツの伝達がより重要となる。
























