明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第129回 韓国の不動産事情 日本とは違う高層アパート
住宅新報 2016年4月12日 号 9面
【学生の目】
春休みの3月、不動産学部の研修で韓国を訪れ、釜山(プサン)市、春川(チュンチョン)市、ソウル市で不動産学を学習した。韓国には不動産学部が多く、春川市の江原大学で講義を受け、不動産に関する価値をぶつけ合ったことはとても新鮮だった。
不動産事情で最も印象深いのが高層アパートだ。日本ではアパートに小規模で低層のイメージを、マンションに大規模で高層のイメージを持つが韓国では逆だ。ソウル市では2010年以降、高層アパートが増加し、住戸数340万戸のうち高層アパートが43.7%を占め、いずれ70%を超えると予想されている。価格水準が7千万円と高価で、賃貸が増えるともいわれている。
高層アパートには3つの特徴がある。1つ目は、階数が20~30階の建物を竣工から2年前後で完成させる。また、数棟を一度に建てる団地型開発が多い。
2つ目は、住棟の妻側(川添緋那子「不動産の不思議第22回」14年2月25日号)が単純な壁で、窓やベランダなど、角部屋の価値を高める工夫がない。逆に、壁上部にはゼネコン名が表示され、住人は『○○会社の○○棟に住んでいる』と言って他人に教える。
3つ目は、外観からベランダが見えない。緯度が新潟県と変わらない雪国のため、ベランダはサッシが取り付けられた準屋内空間で、洗濯機を置き洗濯物を干すスペースとなっている。ユーラシアプレート上の韓国は地震が滅多に起きないためか、日本のマンションに必ずある避難梯子などはない。
以上を踏まえると、需給ひっ迫を背景に、アパートが供給者側の論理で建設されているように感じる。地震はなくても火災の可能性はあり、耐久性、安全性からアパートの将来に一抹の不安を抱いた。
新規開発も学習した。ソウル市の南方約50キロに「東灘(ドンタン)第二新都市」が誕生する。東灘内にすべての生活基盤を集約する計画で、第一新都市には十数棟高層アパートが建ち、人々が生活している。
建設予定のモデルルームを見学した。風通しや日当たりは良好で、西洋を思わせる間取りは斬新だった。ここでもやはり、地震のことは気にせず、子どもの教育などを住宅決定要因にするという。しかし、地震や災害が全く起きないとは限らない。需要が多い分、長持ちする住宅を丁寧に、住民第一で建設し、発展して欲しい。
【教員のコメント】
分譲マンションは〝もの〟と〝制度〟の一体化が必要だ。建物の耐用年数が極めて長い欧州で問題とならない建て替えが日本では問題だ。住民自治を背景とするマンション管理の限界もある。国を超え、マンションを真の不動産にする模索が続く。
























