横須賀の地域事業者 地元活性化のために (上) 手付かずの廃校跡地、治安懸念も 大規模プロジェクト敢行へ よこすか森崎山の手リアンシティ 203区画、開発面積4.3ヘクタール 「きずな」「ゆとり」テーマに
住宅新報 2016年4月5日 号 11面
市長からの「感謝」
3月12日に開かれた「よこすか森崎山の手リアンシティ」の竣工祝賀会の席上、吉田雄人・横須賀市長は壇上に立ち、「地元の皆様がこの横須賀で事業展開してくれた。地元の声をよく聞いてくれた素晴らしい事業だ。若い世代に住んでもらい、人口減少の大きな歯止めになればと思う。今日まで本当に様々なご苦労があったことだろう。皆様が一生懸命頑張ってくれ、本当にうれしい限りだ」とあいさつした。それを受けて「5人」は、深々と頭を下げた。
開発面積4万3500m2、202区画の戸建て住宅と1区画の商業施設用地からなる大規模プロジェクトが「よこすか森崎山の手リアンシティ」だ。吉田市長からねぎらいの言葉を送られた5人は、同プロジェクトの共同事業主。叶不動産社長の田口穰一郎氏、三協ハウジング社長の竹永宏氏、桐ヶ谷不動産社長の桐ヶ谷主税氏、富士ハウジング社長の前澤孝司氏、セントラルホームズ社長の草間時彦氏。地元横須賀市で長年不動産業を営む5人だ。
校舎が長年放置
リアンシティは、市立横須賀高校の跡地開発。03年に同高校が閉鎖となって以降5社のこの事業計画が採択された11年まで、事業決定がなかなかなされなかった。市としては、「学校」の再誘致を考えていたが、それに手を挙げる事業関係者がいなかったためだ。高校校舎はそのまま放置され、治安や環境を懸念する声は周辺住民から年々高まっていた。
そこで、市は様々な用途による事業計画を再度公募したが、東日本大震災の発生や冷え込んだ経済環境も影響し応募事業者がなかなか現れずにいた。そんな中、地元商工会議所の不動産部会のメンバーだった「5人」にも、市から事業計画の応募要請があった。
広大過ぎる開発用地、最寄りの京浜急行線北久里浜駅バス便立地など事業計画を躊躇(ちゅうちょ)してしかるべき要素は転がっていたが、「5人そろえば文殊の知恵」と手を組み、実現に向けての検討を重ねた。
人口減に歯止め
検討の中で浮かび上がったキーワードは「ゆとり感」だった。プロジェクトの中心的役割を果たした草間氏は、「このエリアに設けられている『最低敷地面積150m2』という規制を逆手に取り、〝ゆとり感〟ある住宅プランの提供を全面に打ち出せるのではないかと考えた。人口減少の歯止めが横須賀市の大きな課題である中、ゆとり感のある魅力的な生活プランの提供により、人を市外から呼び込めるのではないかと考えた」と語る。
全体にゆとり感
ゆとり感のある生活を楽しんでもらうには、敷地の広さだけでなく「良質な建物」も必須だと考え、知名度の高いハウスメーカーに協力を要請。快諾を得ることができた。また、敷地内の道路を5メートル、6メートル、8メートル幅とすることで、開発エリア全体にゆとり感をもたらすことを考えた。「敷地と道路幅のゆとり感、そして質の高い建物の提供。一般消費者に受け入れられる開発ができると考えた」(草間氏)。
11年9月、5社による事業計画の応募審査が通過、同年10月20日に校舎の解体を含めて12億330万円で土地の売買契約を締結した。
〝きずな〟をテーマにした「よこすか森崎山の手リアンシティ」。このほど開発道路が完成し街区の竣工となった。全203区画のうち162区画をハウスメーカーに宅地分譲し、5社による建築条件付きを含めた41区画は、26区画の販売が終了している。2月末時点で、一般消費者への分譲は全体で110区画が完了。そのうち2割は市外からの購入者だ。
長年、横須賀エリアで不動産事業を展開してきた5社。「地域には本当にお世話になってきた」(草間氏)。今回、その地域を更に発展させるべく立ち上がった5人。プロジェクトには、「地域の声」を随所に反映させた取り組みが垣間見える。






























