日本不動産研究所<第39回> 地価で見る全国の都市 ――市街地活性化と課題 横浜市発展する若い街・港北ニュータウン 20年後、見据えた対応必要
住宅新報 2016年3月8日 号 18面
港北ニュータウンは、横浜市中心部から北北西約12キロ、東京都心から南西25キロにある横浜市都筑区の大半を占める大規模ニュータウンで、1974年から2009年にかけて開発された。
83年と90年に街びらきが行われ、93年に市営地下鉄(ブルーライン)が開通後、中心商業地であるセンター南駅とセンター北駅周辺には大型商業施設や区役所、警察署等公共施設が集積した。さらに08年には市営地下鉄がもう1本(グリーンライン)開通し、マンションや戸建住宅を中心とした大規模ベットタウンとして発展している。
人口は、94年に都筑区が分区して誕生以来、増加しており、グラフのとおり現在は21万人を超えている。特筆すべきは、区の平均年齢は40歳と若く、高齢化率は約16%と非常に低いことだ。
大型商業相次ぎ進出
商業地は、港北TOKYUS.C.、キーサウス(トイザらスなど)、aune港北、サウスウッド、ルララこうほく、港北みなも、コーナン、都筑阪急、ノースポートモール、あいたい、Yotsubako、プレミアヨコハマなど、多くの大型商業施設がセンター南駅とセンター北駅周辺に集積し、区内の住民だけでなく、週末を中心に周辺市区からも多くの人が利用している。このように大型商業施設の集積とともに両駅周辺の中心商業地域の繁華性は高まっており、地価公示のグラフのとおり、中心商業地の地価は上昇基調にあり、15年1月時点では前年比4.2%の上昇となっている。
大型商業施設がそろっている半面、30~50歳代のサラリーマン家庭を中心としたベッドタウンという性格上、平日の商業施設の利用度は総じて高くはなく、思ったほどの売上が上がらないのか、多くの商業施設でテナントの入れ替わりは多い。
ニュータウンの特徴
また、背後の商業地はやや寂しい感があり、休日も顧客が流れず、食品スーパーの閉店などもみられ、閉店後は長期間、空き家のままの店舗も見受けられる。
前述のとおり、全国でも珍しい若年層を中心とした街で、街ではベビーカーを押すママさんも多く、日本の少子高齢化の現状が見えない、感じさせない街である。
だが、特定の年齢層やサラリーマン家庭が多いというニュータウンの特徴を考えると、今後、20~30年後、他のニュータウン同様に急速な高齢化を迎えることになる。それを思うと、「継続的に若年層が住みたいと思う街づくり」や、「高齢者対応の住宅・福祉・医療施設の拡充」、さらに「異世代間の交流を通じたコミュニティが成立する街づくり」が求められるだろう。
(日本不動産研究所横浜支所、不動産鑑定士・酒部英樹)


























