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スタンダード会員限定日本不動産研究所<第37回> 地価で見る全国の都市 市街地活性化と課題 栃木県宇都宮市動き出したLRT事業 まず駅東側、複合効果狙う

住宅新報 2016年2月23日 号 20面

連載: 日本不動産研究所 地価で見る全国の都市

総合
  • 19年度開業を目指して整備されるLRT事業。その起点となるJR宇都宮駅東口付近。将来的には駅西側へ延伸する計画だ

    1 / 319年度開業を目指して整備されるLRT事業。その起点となるJR宇都宮駅東口付近。将来的には駅西側へ延伸する計画だ

  • LRT事業の概要(優先整備区間について)

    2 / 3LRT事業の概要(優先整備区間について)

  • 空洞化が進む旧来からの中心市街地、オリオン街

    3 / 3空洞化が進む旧来からの中心市街地、オリオン街

旧中心部は依然低迷

 栃木県が公表した15年地価調査結果では、宇都宮市は住宅地・商業地価格の平均変動率がいずれも対前年で引き続き下落となったが下落幅は縮小し、一部の調査地点では横ばいまたは上昇もみられ、市況の回復傾向がうかがえた。しかし、旧来からの中心商業地は、依然として商況は低迷し、中心市街地の空洞化は依然として解消されたとは言えない状況である。

 また、市の総人口は、17年にピークを迎えその後減少していくことが予測され、人口減少とともに、少子・超高齢化もさらに進む見通しとなっており、今後、都市の活力低下が懸念されている。

 宇都宮市は市全体における、これからの長期にわたるまちづくりの方向性を示す指針として、まちの機能や人口が拠点に集積し、拠点が連携する「ネットワーク型コンパクトシティ」の構想を打ち出している。その形成を支えるJR宇都宮駅を起点とする東西基幹公共交通軸として、LRT(次世代型路面電車システム)の整備計画を推進しており、そのLRT事業に関係する都市計画素案が1月19日に宇都宮市役所で縦覧に供された。

 当該都市計画は、JR宇都宮駅東口を起点に鬼怒川左岸の芳賀・高根沢工業団地方面を結ぶ延長約15キロの優先整備区間の計画で、基本的に既存の道路空間の中央に軌道を敷設し、一部区間では新たにLRT専用の走行空間や橋梁を整備する計画となっている。今後、19年度の開業を目指して、都市計画決定等の手続き、用地買収、整備工事などが進められる予定である。

 LRT整備で期待される施設効果としては、移動の時間短縮効果、交通事故削減効果、CO2排出量削減などの環境負荷軽減効果である。

 そのほかにも、都心居住の促進との連携により中心市街地の人口減少の歯止め、中心市街地への来訪者および売り上げの増加、地価下落抑制効果、沿線立地企業、就業者数の増加などが期待される。

駅西側延伸が前提

 今回の計画は、駅東側方面の優先整備区間の計画であるが、全体計画では駅西側の旧来からの中心商業地方面への延伸が前提となっており、駅東西の再開発の動向などと併せて、まち全体のグランドデザインの形成が今後どのように進むか注視されている。

(日本不動産研究所宇都宮支所、不動産鑑定士・永井正義)

 

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