ニュースが分かる! Q&A 障害者差別解消法、4月施行 差別的取り扱いの禁止 「合理的配慮」必要に
住宅新報 2016年2月16日 号 14面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者A 今年の4月から新法が施行されると聞いたが。
記者B 相変わらず、唐突なやつだが、どの法律だろう?
A 障害者の差別の解消を目的とするものがあると。
B 障害者を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる「障害者差別解消法」だね。そう、4月1日から施行される。
A どういうものだい。
B 元々、10年前に障害者権利条約の国連採択と署名を受けて、国では障害者基本法の改正などを行ってきた。基本法の差別禁止の基本原則を具体化させたのがこの「差別解消法」になる。立案担当の内閣府の説明では、「行政機関や民間事業者などが障害を理由とする差別を解消するための措置を定めることで、すべての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら強制する社会の実現につなげることを目的としている」。
A 相も変わらず抽象的だが、具体的には。
B 君も相変わらず、斜に構えているなあ。国、地方公共団体といった行政機関と民間事業者による障害を理由とする差別の禁止がまず1つ。次に、差別を解消するための取り組みについて、政府全体の方針を示す基本方針の作成が2つ目。そして、行政機関ごと、分野ごとに障害を理由とする差別の具体的内容などを示す「対応要領」、「対応指針」の作成||この3つが主なものだ。
A 障害を理由とする差別って。
B 例えば、盲導犬、介助犬などの帯同を理由に、飛行機への搭乗を断るといったことだ。それから、今回特徴的なのは差別の禁止だけでなく、合理的配慮の提供が設けられたことだ。
A んんん?
B 障害のある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために行う合理的な配慮のことだ。例えば、筆談に応じたりとか、目の見えない人に、手のひらに指で文字を書いて認識してもらうといったことだ。国や行政機関がこれを怠ると違反となるが、民間事業者は努力義務になっている。無理のない範囲で構わない。不動産業者なのに、医療行為を行うなんてことは、別の法律違反になってしまうからね。
A さきほど、対応指針の作成といったけど、民間事業者向けのものはあるのかな。
B 法11条の「事業者のための対応指針」という条項を受けて、国土交通省でも、昨年、作っている。その中では例えば、不動産業関係の差別的取扱いの具体例が上げられている。物件一覧表に「障害者不可」と記載する、「当社は障害者向け物件は取り扱っていない」として門前払いする、障害を理由に、賃貸人や家賃債務保証会社への交渉など必要な調整を行うことなく仲介を断る――などが例示されているね。
A 合理的配慮については。
B 物件を探す際に、最寄り駅から物件までの道のりを一緒に歩いて確認したり、車いすを利用する障害者が住宅を購入する際、住宅購入者の費用負担で手すりの設置やバス・トイレの間口変更などを行うなど必要な調整を行う、種々の手続きで障害者の求めに応じて、文章を読み上げたりする――などだ。
A ちょっとした配慮で業者の信頼性も増すことは明らかだし。助け合っていきたいね。もし、差別を受けたなどの相談がある場合、窓口は。
B 国土交通省では、総合政策局安心生活政策課で受ける。各地方整備局や地方公共団体なら苦情相談窓口。また、窓口が縦割りでたらい回しなどにならないよう、「障害者差別解消支援地域協議会」を各地方で組織できることになっている。行政機関、NPO法人、事業者、福祉事務所などのネットワークが構成され、地域全体として差別の解消に向けた取り組みを行うことがねらいだ。2月9日号の13面に登場していた、阪井ひとみさんは精神障害者の住まいのあっせんで定評がある。不動産業は住まいという、人にとってなくてはならないものが対象の商売。その自負を持って、この分野でも「さすが、不動産業者」と呼ばれるだけの存在になってほしいね。






















