安心・安全の市場へ 全住協が進む道(11) 関西住宅産業協会 理事長・福井正順氏に聞く 専門性高める体制で支援
住宅新報 2016年2月16日 号 12面
――協会の現状と関西マーケットについて。
「関住協は14年4月1日に関西住宅産業協会と大阪住宅産業協会が合併して誕生した。当時の会員数は156社だったが、現在は162社に増えた。合併により、分譲住宅(マンション・戸建て)や賃貸住宅、商業用不動産といったあらゆるジャンルのプロが集まって意見交換をしている。マーケット感は各領域によって異なる。分譲住宅は、団塊世代の子供に続く層の購買意欲が鈍く、各社の収益を圧迫する材料になっている。新規供給コストも上昇。建設資材や地価の高騰を実感しているところだ。ただ、そうは言っても売れ筋の地域はある。京都、神戸、北摂の販売は好調。大学の誘致に成功した高槻市や茨木市は賑わいを見せている。オフィスビル市場は、一部地域で堅調だ。13年4月26日にグランフロント大阪がオープン。翌14年3月7日には日本最高層の商業施設としてあべのハルカスが完成し、昨年11月には大阪万博跡地に大型商業施設EXPOCITYが開業するなどイベントが相次いだことが大きい」
――そうした中で、関住協の取り組みについて。
「不動産事業は各領域で専門的になっており、高度な知識・戦略が必要だと考えて、昨年6月に7つの事業部会を立ち上げた。(1)戸建住宅部会(分譲・注文業者)(2)中高層建設部会(マンション分譲・アパート建築業者)(3)流通部会(住宅・土地・収益物件等の仲介業者)(4)リフォーム・リノベーション部会(戸建住宅・マンションのリフォーム業者)(5)ビル・アパート経営部会(収益物件所有業者)(6)賃貸管理部会(アパートなど管理業者)(7)新規事業部会(太陽光分譲・海外不動産取り扱いなど)である。
人口減少により、住宅需要が大幅に減少することを受けて、例えば、戸建住宅専業だった会社が新しいことを取り入れたいと積極的に他の部会に参加するケースが増えた。各部会には最低年3回の開催をお願いしている。
部会登録者の出席率は高い。経営者や各社の部課長が出席し、分譲専業者が賃貸事業を併設したいといった本音をぶつけ合いながら情報交換している。各社とも共通して言えることは、複数の事業ポートフォリオを確立することが欠かせない時代になったと実感していることだ」
――協会の地域に対する役割をどう考えますか。
「豊かな住まい作りのため、様々な提言を府県市町に適確に実行することだ。事業部会がスタートしたことで会員同士が声をかけやすい環境も整い会員増への手応えも感じている。全住協の一員として減税や金利優遇など政策の充実を求める。そうしなければ各社は厳しい局面を迎える」
関西も民泊に注目 問題洗い出し重要
――空き家や民泊が注目を浴びています。
「関西もアジア圏からの訪日客が急増している。大阪府はホテルが足りずに出張者が宿泊に困っている。昨年10月27日に全国初となる民泊条例を府議会で可決成立した。関西を訪れる外国人が増えてホテルの部屋が絶対的に足りない現状の打破に向けて空き家の有効活用を促している。空き家が負の遺産からプラスの遺産に生まれ変わり、新たなビジネスチャンスが生まれる。ただ、問題点も少なくない。更なる討議が必要だと感じる。
まずは公衆衛生などを踏まえ、ホテル旅館との役割分担を考慮に入れ、最低滞在期間が7日となっていること。滞在期間6日以内が6割を占める状況から考えると、改善すべき項目だ。2つ目は大阪府の民泊条例の適用外の市町村として、政令指定都市の大阪市(1月15日条例可決)や堺市があり、人気の滞在都市では、それぞれの市が条例を定める必要があって、それを待たなければならない。民泊は、現在の不動産の新たな有効活用として関西でも今後注目する必要があると考えている」
――仲介事業で重要事項説明のIT化に向けた動きが加速しています。
「不動産は、朝・昼・晩に加え、早朝・深夜と様々な顔があり、1日中観察しなければできない仕事だ。特に売買取引は人の介在なしでは難しく、ITだけで取引を済まそうとはならないだろう。重説がどの時点の顔のことを言っているのかは、現場を確認しないとできないものだ。もちろん、IT導入に反対ではなく、情報収集・整理の観点から欠かせない」
――会員にメッセージを。
「病は気からというが、ビジネスも同じ。市場が縮小する厳しい事業環境では常に上を向いて上昇思考を持ち仕事に取り組むことが重要だ」
























