創業100年以上の老舗建設会社。15年ほど前、それまでの官公庁や学校を相手にした受注形態から、土地オーナーに対する資産有効活用を主力としたものへとシフトチェンジした。「自社施工」「コンクリート技術の高さ」「老舗」を強みに、地元の東京都北区を中心に順調に賃貸マンションの建設を受注。ただ、それ以外に打ち出す特徴がないため、〝頭打ち感〟が出ていた頃、あるオーナーから楽器演奏ができる賃貸マンションの建設依頼がきた。4年前のことだった。
「市場調査や設計上の留意点など様々な研究を重ねた」。多くの苦労があったようだが、『整形の間取りであればあるほど音の響きが出過ぎることがあるため、天井に吸音シートを貼る』などといったノウハウは、地道さと技術力で編み出したものだ。初弾物件はそれまで経験したことのない「竣工前満室稼働」での引き渡し。同社に〝音楽マンション〟という新たな武器が加わることになった。今年中にはトータル20棟が竣工する。
プロジェクトの責任者である吉井さんは、高校卒業後に同社で働きながら夜間に建築専門学校へ通った苦労人。「仕事は楽しいものではない。辛いもの。そう思わなければ、いざ辛いときに乗り越えられない」と厳しいが、「やり甲斐はとてもある」と笑顔で語る。























