地方の老朽ストック 建替えを促進 耐震・環境事業の要件緩和
住宅新報 2016年2月2日 号 2面
国土交通省は、耐震性不足の建築物を建て替えやすくする制度を整える。耐震・環境不動産形成促進事業の事業要件をこのほど改正した。訪日外国人の急増により需給がひっ迫している宿泊施設など、地方都市における老朽不動産の建て替えを促進する狙いだ。
同事業では、老朽化していたり稼働率が低かったりする不動産について、耐震化や環境対応型の不動産(以下、環境不動産)への改修や建て替え、開発を手掛ける事業者を対象に支援を行う。建物規模は原則、延べ床面積2000m2以上。耐震・環境不動産普及促進機構(Re-Seed)とファンドマネージャー(FM)などの不動産運用会社がLPS(投資事業有限責任組合)を組成し、これを通じて改修や建て替えを手掛ける特別目的会社(SPC)などに出資するスキームだ。国が民間投資の呼び水となるリスクマネーを供給することで、耐震化と環境不動産の形成を促進するのが目的。FMには現在、トーセイやケネディクスなど25社が選定されている。
現時点での実績は、工事の実施予定を含めて計6件。省エネ改修など環境不動産の形成に関する案件が中心で、耐震化の事例は少ない。そこで国交省は、特に地方都市における建築物の耐震化を促す目的で事業要件を変更。耐震化のために建て替える場合は一定の環境要件を満たさなければならないが、それを緩めた。 具体的には、人口集中地区などが中心だった対象地域を全国に拡大した上で、CASBEEの「A以上」としていた要件を「B+」に緩和。同時に、環境要件に「省エネ基準の一次エネルギー(今週のことば)消費量の10%以上の削減」、「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS、☆3つ以上)」の2つを追加し、選択肢を増やした。後者は地方都市の建築物でなくても適用される。


























