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スタンダード会員限定「空き家」抑制の特措創設 16年度・与党税制大綱 「三世代同居」促進も

住宅新報 2015年12月15日 号 1面

政策

 自民党と公明党は12月10日、16年度税制改正大綱案を取りまとめた。12月11日現在、食品などをめぐる軽減税率の調整が両党間で続いているが、石井啓一国土交通大臣は「国交省の要望は概ね盛り込まれた」と説明。住宅・不動産関連では、空き家の抑制を目的とした特例措置が創設され、「三世代同居」のための二世帯リフォームに係る減税措置の要望も通る見込み。このほか新築に係る固定資産税の減額措置も縮減されることなく延長されるのをはじめ、重点要望とされていた事項は多くが延長となる見通しだ。

新築固定資産税特例を延長

 新たに措置されるのは、空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入。適切に管理されず、周辺環境に影響を及ぼす空き家の発生を防ぐのが目的だ。対象は相続された旧耐震の空き家。16年4月1日から19年12月31日までの期間に、相続人が(1)耐震改修をした上で家屋または家屋と土地を譲渡(2)家屋を除却した後の土地を譲渡、した場合の譲渡所得を3000万円特別控除する。いずれの場合も、相続から譲渡・除却するまでの間に賃貸や居住をしていないことが条件だ。相続財産に係る譲渡所得の課税特例とは選択適用とし、居住用財産の買い換え特例とは併用可能。

 空き家への特例措置は今夏に財務省へ要望した段階で、相続した空き家を耐震改修か除却した場合に要した工事費を、所得税から控除する仕組みを検討していた。空き家の発生抑止という目的は変わらないが、「空き家を使ってもらうことが重要」(国土交通省)との観点から「譲渡」を要件に追加して要望し、新設となった。

 三世代同居に対応した二世帯リフォームに係る特例措置も導入される。「希望出生率1.8」を掲げる安倍政権の方針に沿った対応で、世代間の助け合いによる子育てを支援するのが目的。現行では省エネ改修やバリアフリー改修をした際に所得税を控除する制度があり、この適用対象に二世帯リフォームを追加する。ローンを組みリフォームする場合と、自己資金で行う場合から選択する形式で、いずれも工事費の限度額は250万円。二世帯リフォーム後、19年6月30日まで居住することが要件だ。

 ローンを利用する場合は、一定の要件を満たす工事を行った場合にローンの年末残高(1000万円が限度)の2%を控除。一定の要件とは「キッチン、浴室、トイレ、玄関のいずれか2つ以上が複数となるよう増設する」工事を指す。自己資金で行う場合は、一定の要件を満たす工事費の10%を所得税から控除する。

 防災・減災に資する道路の無電柱化の促進に係る特例措置も創設される。道路の地下に埋設するため新設した電線等に係る固定資産税について、課税標準を最初の4年間価格の3分の2とする措置を3年間に限って講じる。

 延長の要望事項も多くが認められる見込み。新築住宅に係る固定資産税の減額措置は、適用期限を2年延長。新築の認定長期優良住宅に係る固定資産税の税額の減額措置も、適用期限を2年延長する。

 サービス付き高齢者向け住宅は、その賃貸住宅の割増償却制度について、割増償却率を10%に引き上げた上で適用期限を1年延長する(所得税についても同様)。

 都市関連では、コンパクトシティ実現に向けた措置が延長される。都市再生特措法に規定する認定誘導事業者が、誘導施設の整備に関して記載された立地適正化計画に基づき整備した、公共施設等の建物部分と償却資産に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置について、一定の見直しの上で適用期限を2年延長。都市農業については、今後策定される都市農業振興基本計画に基づき、都市農業のための利用が継続される土地に関し、生産緑地が貸借された場合の相続税の納税猶予制度の適用など必要な税制措置が今後検討される。

【その他の延長・拡充事項】

◎特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用期限を2年延長/居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長/特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限を2年延長/特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長/認定低炭素住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長

◎特定の増改築がされた住宅用家屋の所有権の移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置(買取再販で扱われる住宅の取得に係る特例措置)の適用期限を2年延長/マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する登録免許税の免税措置の適用期限を2年延長

◎耐震改修を行った住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を2年3月延長/バリアフリー改修を行った住宅に係る固定資産税の減額措置について、床面積要件(改修後の住宅の床面積が50m2以上)の追加などの見直しを行った上で適用期限を2年延長/省エネ改修を行った住宅に係る固定資産税の減額措置について、床面積要件(改修後の住宅の床面積が50m2以上)の追加などの見直しを行った上でその適用期限を2年延長

◎不動産取得税について、新築住宅を宅地建物取引業者等が取得したものとみなす日を住宅新築の日から1年(本則6月)を経過した日に緩和する特例措置の適用期限を2年延長

◎新築住宅特例適用住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置(床面積の2倍相当額の減額)について、土地取得後の住宅新築までの経過年数要件を緩和する特例措置の適用期限を2年延長/マンション建替え円滑化法に規定する施行者またはマンション敷地売却組合が取得する、要除却認定マンションとその敷地に係る不動産取得税の非課税措置の適用期限を2年延長/認定特定民間中心市街地経済活力向上事業計画に基づき不動産を取得した場合の所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長

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