長年、住宅設計を手がけてきた感触からすると、一定レベル以上の予算がある場合に提案して採用されることの多い設備のトップは暖炉です。コスト重視の設計でもワンポイントの贅沢として取り入れられることもあります。キッチンは奥様主導で装備や仕様が決められ、浴室周りはご主人主導で進められることが多いのですが、暖炉に関してはご夫婦共々積極的に導入を望まれることが少なくありません。
しかし、以前ディベロッパーが東京・港区に計画した10戸ほどの高級集合住宅各戸に薪(まき)を使う暖炉を装備したのですが、1年を経過して、住まい方チェックをしたところ、実際に暖炉を使っていたのは1戸のみ、他は段ボール箱置き場や、暖炉の前に収納家具などが置かれていたそうです。
暖炉の燃料は乾いた薪、木質ペレット、石炭などが使われますが、日本での主流は薪とペレットです。薪を使う暖炉は、実用というよりは火を中心に人が集まったり、語り合ったりするためのコミュニケーションツールとしての側面が濃厚です。























