基礎ぐい問題対策委 データ流用の建築物 安全性確認の方法は 行為の「要因」分析も
住宅新報 2015年11月24日 号 2面
国土交通省はこのほど、基礎ぐい工事問題に関する対策委員会の第2回を開いた。施工データ流用などに関する旭化成建材からの調査報告を受けたほか、施工データ流用の要因分析や、流用があった物件の安全性の確認方法などについて意見交換が行われた。年内に中間取りまとめを行う予定。また、第1回会合の議事要旨も公開された(表)。
会合では、杭の未到達に起因する「建物の安全性」と、「施工データの流用」の問題を分けた上で検討することを改めて確認。それぞれ実態把握を進めながら、2つの問題の関係を整理していく方針を固めた。この点に関しては会合後の会見で、東京大学大学院工学系研究科教授の小澤一雅副委員長が「データの流用があった物件がそのまま『安全ではない』と世間に認識され、国民の不安をますますかき立てているように思う」と指摘。この点について、首都大学東京名誉教授の深尾精一委員長は「データ流用が判明した建築物のうち、現時点で『(安全面が)危ない』と結論が出たケースはない」とした上で、更に「かなりの建築物が、流用はあっても安全だろうと言えそうだ、という感覚はある」と話した。同委員会では引き続き、流用のあった建築物で安全性を確認する方法について議論を深めていく。
またデータ流用という行為に関して、深尾委員長は「今の段階で違反とは言えないが、やってはいけない」と強調。併せて、それが行われた要因を分析する必要性も強調した。例えば、1本の柱を3本の杭で支えるケースを例示。杭が支持地盤に達したものの、何らかの不備で1本分のデータが取れなかったとき、「その建物はまず安全と言える」(深尾委員長)が、そうした場合でもすべての杭のデータ提供を求める仕組み自体が「(データを)『ごまかしてもいいか』という気持ちにさせた背景かもしれない」(同)と述べた。実態を把握するため、現場代理人などへのヒアリングを継続している旭化成建材の第三者委員会とも連携しつつ、現場の声を聞く意向を示した。「杭工事のあるべき姿を業界全体でつくってもらいたい」として、業界の自主的な取り組みにも期待を寄せた。


























