会心の不動産投資 コンサルティング会社シェア東秀信社長に聞く (4) 事業用借地権による土地有効活用 20%超の利回りを実現 ラクテンポ第1号案件
住宅新報 2015年10月27日 号 3面

第1号店舗の建物(完成当時)
〝木造平屋〟が有効
私が、取締役を務めているラクテンポ(東京・新宿)で取り扱った事例を紹介したい。
09年11月に第1号案件を東京・神田の路地裏に木造平屋建てで、100m2未満の店舗を建設した。開店当初より入居テナントは、今も変わらない。
総工費約1600万円。土地は、地主から事業用定期借地権で10年間借りている。地代は月額35万円、敷金は6カ月。 入居したテナント2店舗からの賃料収入は、合わせて月額65万円、保証金10カ月。年間運営費は約12万円で20%超の利回りである。資金計画としては自己資本が300万円、ローン借り入れ1000万円でスタートした。
読者の方はお気づきかと思うが、総工費1600万円に対して約300万円不足しているのになぜ、スタートが切れたのか。それは、テナントから預かる保証金からの充当を当初よりもくろんでいたからである。
――具体的にどのような手順を踏んで東京・神田の路地裏に「事業用定期借地権スキーム」を採用して運営し始めたのか。
まず、土地探しからスタートしたわけだが、店舗が繁盛する立地で土地だけを貸す地主は皆無である。スタッフ4名で、フィールドサーベイを行い、重点エリアを歩いて回り、駐車場・空き地・未利用木造住宅などをリストアップしていった。時には東京都所有の土地や鉄道敷地なども当たってみた。
ある時、スタッフの一人が、レインズを検索していたら、貸地が掲載されていた。すぐ調査に出かけると、掲載されている意味が、何となく分かった。
路地裏の魅力発見
その貸地は路地裏で、車両の通り抜けができず、間口約20メートル、奥行約5メートルの逆鰻の寝床のような土地で、敷地前の道路は幅員約3メートル、人の通行は皆無に等しかった。スタッフの中でも意見が分かれ、店舗に利用するのは難しいのではないか? いやこの間口を生かした路地裏路面店舗として十分生かせるのではないかと議論を続けていたのだが、設計スタッフに平面図と配置図の作成を依頼して、店舗のレイアウトを落し込んでみると、意外と席数が確保され、ちょうどよい規模になることが確認された。
早速、事業提案書を作成して地主に接触を試みると、手応えをつかむことができた。
2回目の事業提案書では(1)地主自らが建物を建築し、ラクテンポはプロデュース業務委託を受ける案と、(2)マスターリース転貸、(3)事業用定期借地権の3案を提案した。すると、事業性については理解していただけたものの、自ら運営することは考えず、事業用定期借地権で決着した。
その後は、「店舗建物用土地賃貸借事業の計画に関する合意書」を締結し、計画建物の図面を基にリーシング活動を水面下で行うと、すぐに候補テナントとして3軒手が挙がり、フレンチビストロ「キュル・ド・サック」と、イタリアンBOSSOが内定した。
建築設計請負契約・建設会社見積もり・建設会社決定と時を同じくして、地主との事業用定期借地権契約を公正証書で結び、事業が本格的にスタートした。地盤調査・地盤改良などを行い、全行程は約50日で完成。支払い地代と賃料収入の時間差を極力短くすることによりリスクを最小化できた。また、木造平屋店舗であることが、賃料単価に影響されず、低額投資・高利回りを実現するという当初の目的につながった事例である。
――ラクテンポでは商業施設プロデュースのほかに、飲食店経営者と様々な取り組みをしているということですが。
ラクテンポ代表の野原正哉が東京・神楽坂で経営するワインクラブ・ラ・タブレら数名の飲食店経営者を発起人とした〝食べないと飲まナイト神楽坂〟というイベントにも携わっている。今年は11/3、11/4に神楽坂の40店舗が参加する。お店自慢のワンフード・ワンドリンク1軒900円×5軒、4500円の前売り券が販売されている。ぜひ、お気軽にお出掛けください。 (おわり)
























