会心の不動産投資 コンサルティング会社シェア東秀信社長に聞く (1) 「建基法第43条1項但書き」の活用(上) 接道幅2メートル未満でも再建築可に
住宅新報 2015年10月6日 号 3面
――不適合不動産に特化している理由は。
建築基準法第一条(目的)には、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする」と書かれている。
命の危険を訴える
今から約15年ぐらい前、私の実家(木造2階建て、築50年)を建て替えようと、住宅メーカーに相談した。すると、間口が20センチ足りないだけで建築確認の取得が出来ない事を知った。
しかし、床が落ち、建物全体が傾いた家に祖母と叔父の2人暮らしの危険性を感じていた叔母は、大田区の建築審査課に乗り込んで行き「母(祖母)の身に何かあったら、あなた達は責任が取れるのか! 僅か間口が20センチ足りないだけで、建築が出来ないなんて、おかしいじゃないか!」と凄んだようだ(笑)。まさに建基法第一条の精神をぶつけたわけである。
建築審査課の担当者も叔母の迫力に圧倒されたのか、建築基準法第43条第1項但書きというものがあり、建築審査会の同意を取ることができれば建て替えが出来るというアドバイスをくれた。そこで、住宅メーカー担当者と審査会の同意が得られるよう基準を満たし、無事に建て替えることができた。こうした原体験があったため、自分が不動産会社を起こすなら、難しい案件に特化した会社にしようと決めていた。
――その「建築基準法第43条第1項但書き」とは何か。
一昨年、杉並区で賃貸住宅用に再建築不可の戸建てを購入しようとしている人からアドバイスを求められた。さっそく現地調査をした。相談者が再生可能と見ていた建物は、多額のリフォーム費用が掛るであろうと一見して分かったので、賃料と照らし合せても再生するコストに見合わないのではと思い、ある提案を行った。それが「建築基準法第43条第1項但書き」を活用し建て替えの可能性を探ることだった。
建築審査会で許可
杉並区の「同但し書きに関する手引き」(平成23年4月1日杉並区都市整備部建築課発行)によれば、今回の敷地が、個別許可(接道の長さ2メートルに満たない場合)の要件を満たし得ることが分かった。
つまり、間口1.8メートル以上2メートル未満で、路地状敷地の路地状部分の長さが20メートル以下に該当していたからだ(図参照)。残す条件は緊急時の二方向避難のために、敷地から道路まで通ずる有効な通路(敷地内にあっては有効幅員1メートル以上、敷地から道路までは有効幅員50センチ以上)及び敷地から避難口を確保することであった。それらを満たして、建築審査会にかけることを提案した。その条件を満たすまでのロードマップや費用、想定通り行かなかった場合のリスクなどを説明し了承を得ることができた。その後の作業については次週で紹介する。


























