ニュースが分かる! Q&A 過去最多の訪日外国人1300万人 観光、インバウンド消費に活路
住宅新報 2015年6月9日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
助手 訪日外国人が増え続けているそうです。年間の訪日外国人数が1300万人を超え、旅行者の消費額が2兆円に上ったとニュースで聞きました。この調子でいくと、東京五輪のある20年に政府目標の年間2000万人も現実味を帯びてきますね。
先生 今年は中国のお正月にあたる春節に訪日した中国人観光客がかなりの数に上ったそうだ。その中国人による大量の買い物が「爆買い」などと呼ばれて話題になった。定期的に中国からのクルーズ船が就航する福岡では、そのたびに大勢の中国人観光客が福岡の街に繰りだし、街中が一気に活気づくと現地の人が話していたよ。そのクルーズ船も来航回数が増えているそうだ。4月はタイのお正月にあたる時期だったそうで、アジア各域から来日する外国人によるインバウンド消費も持続的な盛り上がりが期待できるかもしれない。
助手 休祭日は各国異なるので、年間通して世界各国から入れ替わりで日本に観光に来てくれるようになるとありがたいですからね。
先生 そう都合いいようにはいかないだろうが、世界的な視野で見ればそれも夢ではないかもしれない。
不動産業も観光やレジャーともつながりが深いから、その波及効果が期待できる。観光客が増えればホテルの稼働率が上向いて収入が伸びるし、個人消費が伸びれば、小売業やサービス業が繁盛する。その延長線には店舗・事務所のテナント賃料が伸びて、不動産の収益性が高まるといった具合だ。既にそうした需要を当て込んで、大都市や著名な観光スポットでは国内外の資本によるホテルの出店ラッシュともいえる状況にある。
助手 そういえば、東京都心に大型ホテルが続々とオープンして話題になりました。
先生 ある外資系投資銀行の不動産の担当者も、不動産投資の視点からも観光には特に注目していると教えてくれた。前提としてそもそも日本に魅力を感じてもらわなければならないが。日本の文化や安全な治安、新幹線をはじめとする交通インフラ、それに加えて温泉地をはじめ全国各地の観光資源といろいろと材料はありそうだな。その人も、観光には未開拓な部分や改善の余地が多く残されているから、潜在的な成長力に期待ができると言っていた。
助手 どんな部分ですか。
先生 例えば温泉旅館。熱海や箱根が中国人客で潤っているという話は有名だ。1泊3~5万円もするような高級旅館は誰もが宿泊してみたいと思うが、高額がゆえに連泊も最小になりがちだ。そうした高級旅館も2泊目以降の食事のコストを落とすことができれば、連泊や長期滞在といったニーズも掘り起こせる。外国人の目線で見直すことによって、サービスの向上には改善や工夫の余地が多いということらしい。
もうひとつ観光と共に期待したいのが周遊だ。福岡では天神や博多を起点にして、少し遠方まで足を伸ばす周遊型の外国人旅行客も増え始めているという。日本ファンになった外国人が再来日するようになって、周遊型の旅行が増えているからだ。九州といえば新幹線や特別列車も多く、観光に伴う消費が循環し始めているとみていいだろう。
助手 最近、国内のあちこちで地震や火山の噴火といった自然災害が増えているのが気にかかりますね。
先生 観光で日本にきて大きな地震を経験したいという外国人はいないだろうが、地震国ならではの日本の安全な建築技術も海外にもっと知ってもらいたいところだな。
人口が減少していく国内の需要だけでは、当然、不動産や住宅の市場の成長は見込めない。一方で観光をはじめ多様な分野で消費を国内にしかも持続的に取り込むことができれば、不動産業にも新たな活路が開けてくるかも知れない。
助手 グローバル化がますます進んでいきそうですね。
先生 グローバル化にも功罪があって、ネガティブな部分ばかりが注目されがちだが、観光に関してはポジティブな面の方が大きいと言っていいだろう。しかしそれには、一過性ではなく需要が長続きする仕組みが伴っていることが前提だ。
助手 それでは私が全国津々浦々、調査に赴きますので、長期出張に行ってきます。
先生 感心じゃ、では一緒に参ろう。別府、函館、金沢…。さてどこから参ろう?






















