明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第78回 橋が高める街の魅力 経緯知ると景色も変わる
住宅新報 2015年4月7日 号 4面
【学生の目】
川は開放的な景観を提供する一方、両岸の交通を制約する。大きな川がある都市は発展しないと聞くことがある。テムズ川やセーヌ川がロンドンやパリを魅力的な都市にしているから、指摘が正しいとは思わないが、川を街の魅力につなげるには工夫も必要だ。
明海大学の近くには幅員約55メートルの境川がある。川の景観を利用した集合住宅がある(今川史野「不動産の不思議第39回14年6月24日号」)一方、橋の数が限られ、対岸に行くのに不便を感じる。
境川に架かる橋は鉄道、道路、歩行者、上水道、下水道など目的により支える重さや広さが異なり、構造やデザインが違う。調べると橋のタイプは5つに分かれる。1つは単純桁橋(桁橋)だ。橋脚を立てて桁を載せ、その上を人や車が通行する。最も単純な形式で最も多い。2つ目は吊り橋だ。桁を吊り下げる形式で、本四連絡橋など長い橋に多い。3つ目は平行弦トラス橋(トラス橋)だ。力学的に安定する三角形を組み合わせて骨組みにする。4つ目はアーチ橋だ。ローマ帝国時代からアーチの崩れにくい性質を生かしてきた。5つ目はハープ形斜張橋(斜張橋)だ。桁を斜めのケーブルで塔から引っ張って支える。比較的新しいタイプだ。
今川地区で写真のアーチ橋に目が留まった。路面が下にある下路式アーチ橋で用途は歩道橋だ。写真にはアーチ橋のほかトラス橋と桁橋も写る。調べると近年はアーチ橋やトラス橋が増え、なかでも、下路式アーチ橋が増えているようだ。下路式アーチ橋は鉄道橋や歩道橋で用いられる。
注目理由はまず、アーチの曲線が柔らかい。空にかかる虹を連想させ、また見たい気持ちになる。次に、桁が薄く軽やかだ。桁橋の桁が重々しいのと対照的だ。さらに、桁を吊り下げる鋼材が冗談と思うほど細くてお洒落だ。
桁橋とアーチ橋を比較すると、アーチ橋は建築費や維持費を安くできる。環境面で桁橋は水面下の橋脚の点検が大変で安全面が心配なほか、錆で川が汚染され生態系を崩す恐れがある。水上交通の面では、桁橋は桁が大きく高い位置に設けなければ船が通過できない。また、橋脚が船の航行の邪魔になる。
橋に思いを巡らすと川の風景が違って見える。歴史的な橋が多いロンドンやパリには及ばなくても、それぞれの街のそれぞれの橋の経緯を知ることが川と街の共存に有効だ。(山崎映里 不動産学部2年)
【教員のコメント】
鉄は引張力が強く、これを使うと部材が小さくできる。自転車の車輪が例だ。針金状の細い鉄の引張力で丸い車輪を支える。橋も建物も引張力で持たせると部材が小さく形がスマートになる。代々木第一体育館がその例だ。
























