不動産関連業界で唯一、選挙で役員が選出されるのが不動産鑑定業界。2月の選挙で、無投票で当選が決まった。現在の緒方瑞穂会長体制を支えてきた副会長で総務財務委員長。所属は東急不動産(参与)で、同社出身の会長としては第3代松尾英男氏、第5代安藝哲郎氏に続く3人目となる。6月の定総会後に正式就任する。
連合会は今年10月1日、50周年の節目を迎える。記念事業や式典などの顔にもなる熊倉さんは今、鑑定業界の現在と将来に危機感を抱いている。
「若い人たちがどんどん入ってきたいと思う、魅力ある資格、業界にしなければならない」。それは業界として社会に存在意義をどう示していくことができるかという課題でもある。
難関で知られる不動産鑑定士試験だが、最近は受験者が減少傾向をたどる一方、高齢化で今後かなりのスピードで不動産鑑定士の数が減少していくと見られるなど、厳しい状況が待ち構えているためだ。
リーマンショック以降、業界全体の収益構造は厳しさが続く。会長就任後、まず取り組むのは「業界全体の活性化。仕事の確保と新たな分野への挑戦」だ。
「まず地域に根差し、地価公示などの公的評価を継続的に実施、分析している立場を生かすこと。地域のあり方や活性化策などを、意識して議論、提案していくことで、新たな事業の芽が生まれてくる」
具体的な取り組みとして現在試行しているのが、農地の流動化・活用分野や中古住宅流通分野(特に建物評価システムの確立)だ。「ともに個人の評価需要が中心で単価は低いが、時代的な要請が背景にある。売買の当事者や関係する宅建業者、金融保険などのステークホルダーと連携を取りながら、連合会としてIT化や専門知識の集約など支援体制を推進したい」と、その実現に意欲を見せる。
好きな言葉は「誠実」と「挑戦」。趣味は「作戦を考えながらのサッカー観戦」。73年東急不動産入社。統括部長、関係会社代表などを経て現職。77年不動産鑑定士登録。東北大経済卒。栃木県出身。5月に65歳になる。 (柄澤 浩)























