ニュースが分かる! Q&A 空き家対策、待ったなし 法律で除却と予防効果
住宅新報 2015年3月17日 号 16面
連載: ニュースが分かる!Q&A

老朽化した空き家は周辺環境に深刻な影響を与えるケースが多い(写真はイメージ)
次郎 父さん、いよいよ「空家等対策特別措置法」が一部施行されたね。5月26日には全面施行になる。この法律が、増加し続けている空き家をどう抑制するか見ものだ。
父親 次郎、お前はまだ大学生なのに、よくそんな法律を知っているな。相変わらずのスーパー大学生ぶりだな。
次郎 住宅・不動産業界を志す者にとっては、当然のことだよ。ところで父さん、国内の820万戸の空き家のうち、半分以上の429万戸が賃貸住宅だということを知っている?
父親 そうなのか。賃貸の空き家はそんなに多いのか。
次郎 そうなんだ。10年前は367万戸だったことを考えると、どんどん増えているよね。
父親 まぁ、「募集中」としてしっかり管理されている物件なら問題ないのだろうが、老朽化して放置されている物件だと周辺住民にも大きな悪影響を与えるよな。
次郎 売却用の空き家は30万8000戸で10年前とほぼ横ばいだ。賃貸住宅の増加具合が分かるよね。東京都大田区で昨年5月、同区初の行政代執行による老朽空き家の除却が行われたのだけれど、それが賃貸住宅だった。これから注意しないと、老朽化した賃貸住宅はどんどん増えることが予想されるよ。
父親 まぁ、まだ活用の余地のある(活用しようという意思が感じられる)空き家なら手の打ちようもあるのだろうが、それを諦めてしまった老朽化空き家が820万戸のうち318万戸あるのだよな。この数がすべて老朽化した空き家とはいえないのだろうが、ある程度の数はそれで占められているはずだ。
次郎 総務省の住宅・土地統計調査では、この老朽化した空き家は「その他の空き家」としてセグメントされているけど、総住宅数に占める割合は5.3%。アメリカの2.5%と比べると2倍以上の割合だ。10年前と比べても1.4ポイント上昇している。適正値がどのくらいかははっきり分からないけど、空き家問題に詳しい富士通総研経済研究所の米山秀隆上席主任研究員は、アメリカの2.5%は一つの指標になると話していたよ。
父親 そうか。ただ、日本の将来の人口推計などを考えると、空き家の数が減ることはないようだな。
次郎 そういった危機感から「空家等対策特別措置法」が出来たのだろうね。既に老朽化してしまった空き家の除却や改善を促す効果と、まだ状態のよい空き家が老朽化することを防止する効果を狙ったものだ。
父親 「行政代執行の要件緩和」「所有者把握のための固定資産税情報の内部利用」といった規定は前者、「固定資産税の住宅用地特例の排除」は後者を期待するものだな。
次郎 固定資産税特例の排除はよく目玉として取り上げられるけど、既に老朽化している空き家の所有者に対して効果があるかどうかは分からないよね。除却してもその土地が利活用されなければ固定資産税が上がるのは同じだから、そのまま放置しようという考えにもなるだろうし。また、利活用が難しいから老朽空き家になるという根本問題もある。それよりは、まだ利活用できそうな空き家所有者に対して、今後固定資産税が上がらないためにも何とかしようと思ってもらえる効果はありそうだ。
父親 うむ。空き家も「家」だ。家を取り扱う不動産会社、特に地域に精通している不動産会社こそ、様々な知恵を絞りこの問題に正面から取り組むことが期待されている。仮に今は収益化できなくとも、長い目で見ればビジネスにつながるはずだ。
次郎 父さん、たまにはいいこと言うね。






















