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住宅新報 2014年12月23日 号 10面

不動産テック・DX
電力会社からは受け入れ中断を解除する動きが見られているが、再生可能エネルギーの普及に向け様々な障害があることが分かった

電力会社からは受け入れ中断を解除する動きが見られているが、再生可能エネルギーの普及に向け様々な障害があることが分かった

IT重説、検討開始 賛否両論、難航を予想

 昨年12月に政府のIT総合戦略本部で決定した「IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」で不動産取引における重要事項説明に際しての対面原則の見直しの提言を受けて進められたIT重説。不動産取引で契約前に、法定された重要事項について宅地建物取引主任者に書面を通して説明させるものだが、取引主任者証を提示して行うとされているため、実質的に対面で行うものとされてきた。

試験的に進める

 規制改革により見直しを進めてきたが、推進派と慎重派の主張が対立。どのような影響が出るか見極めるため、トラブルが発生した場合の損害程度が比較的小さいと考えられる賃貸契約や、個人に比べて知識や理解力を備えている法人間の取引を試験的に進めていく方針を固めた。

 そこで、試験的にIT重説を行う宅建業者と取引主任者を登録し、結果などをアンケートでまとめる「社会実験」を最大2年間行うこととした。ただし、実験途中で効果が分かり、問題もないということになれば短縮する。また、IT重説はスカイプなどのテレビ電話を介した方法に限定して行う。

 推進派は、個人間売買などについても実験を行うべきで、また、メールなどの手段も考慮すべきとしている。実験の開始時期については早くても15年半ばとされている。

中古流通 「エージェント」広まる 仲介業の在り方、変革へ

 中古住宅流通市場の活性化に向けて、物件情報のオープン化や仲介業者の資質向上の機運が高まる流通業界。それを象徴するのが、昨今頻繁に使われるようになった「エージェント」という呼称だ。4月に設立されたソニー不動産、12月に本格始動した米国発祥の不動産FCのリマックス・ジャパンが、サービス提供に当たってエージェント制をうたっている。

 そもそもエージェントとは、米国での仲介業者の呼称。全米リアルター協会(NAR)の倫理綱領には「不動産取引のライセンス(ブローカーなど)を所持し、州の法律や規則で定められたエージェンシーの関係の下にある者」とある。日本の仲介各社があえてこの呼称を用いるのは、「従来の業態とは異なる」という意思表示、とみることもできる。そこには、どのような考えが込められているのか。

物売りでなくサービス業

 中古住宅購入の仲介業に特化し、「バイヤーズエージェント」を掲げるリニュアル仲介(東京都新宿区)。西生建代表は従来の仲介業を「セールス」と例えた上で、エージェントとの違いを「売り物があるかないか」と指摘。「顧客と相対して物を売るのがセールス。顧客と同じ方向を向き、目的の物件を一緒に探すのがエージェント」だと説明する。

 同様の見解で、エージェントを「サービス業のカテゴリーに入る」と話すのは、売買仲介とリノベーションのワンストップサービスを手掛けるスタイルオブ東京(東京都港区)の藤木賀子代表だ。それに求められる能力としては、顧客の要望を整理し、不動産や建築、資金計画といった面でプロのアドバイスが提供できることを挙げる。

 「業態の在り方」という本質的な部分での変革と共に、各社が志向するエージェントが増えることを期待したい。

固定価格買取制度 条件強化で見直しへ

 九州電力など5電力会社が再生可能エネルギーの電力受け入れを中断している問題で、経済産業省は総合資源エネルギー調査会・新エネルギー小委員会で対応を検討してきたが、12月18日、運用見直し案をまとめた。

 その内容は、電力系統への接続に制約が生じる中で、最大限の再生可能エネルギー導入を実現するための対策がいくつか盛り込まれた。

 例えば現在、500キロワット以上の太陽光発電・風力発電に義務づけている出力制御を500キロワット未満にも拡大する。ただし、住宅用太陽光発電(10キロワット未満)については、非住宅用(10キロワット以上)を先に出力制御を行う。

 また、現在、1日単位での制御を前提として、年間30日まで行える無補償の出力制御について、時間単位での制御を前提として、太陽光発電については年間360時間まで、風力発電については年間720時間まで行えるようにする。時間単位できめ細かく制御することにより、接続可能量を拡大する。

 この改正後のルールはパブリックコメントを経て、1月中旬をめどに施行する。

マンションストック 600万戸を突破

 国土交通省の推計によると、国内の分譲マンションストックは13年末時点で約601万戸となり、600万戸の大台に乗せたことが分かった。今後も大都市部ではもちろん、コンパクトシティを推進する地方都市でも増え続けると見られる。防災拠点や地域包括ケアシステムなどの拠点としての期待も高まり、マンションの存在は相対的に大きくなってきた。

 その一方で懸念されるのが建物の老朽化と入居者の高齢化という「二つの老い」。具体的には、建物の耐震性不足や管理組合の担い手不足という管理問題である。旧耐震のストックは106万戸といわれる。そんな中、大規模改修や建て替えが難しいマンション管理組合にとって新たな選択肢となる「敷地売却の道」を盛り込んだ、改正マンション建替え円滑化法が成立。12月24日に施行される。その効果が注目されている。

 

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