日本不動産研究所 全国の地価 ~その軌跡と変わる街 (26) 名古屋市・変ぼう続ける名古屋駅前 大型プロジェクトが目白押し
住宅新報 2014年11月25日 号 16面
07年に最高地が逆転
名古屋市の商業の中心は栄である。しかしながら、旧来の中心商業地から鉄道駅前へという全国的な傾向にならって、発展が目覚ましい名古屋駅前(以下「名駅」と呼ぶ)へ移行しつつある。2000年に「JRセントラルタワーズ」が開業して以降、大規模なオフィスビルの供給はそのほとんどが名駅地区でなされてきた。
栄と名駅の最高地における地価の推移状況は、図表1に示すとおりである。06年までは栄の方が高かったが、07年に名駅が逆転し、その開差は拡大している。
高度商業地の地価に大きな影響を与える要因であるオフィスマーケットの状況について、両地区の状況を概観すると次のようになる。
オフィスビルの貸室面積の推移状況(延べ床面積が500坪以上の主要な貸ビル)は、図表3に示すとおりであり、07年に名駅が栄を上回った。06年から07年にかけて竣工した「ミッドランドスクエア」や「名古屋ルーセントタワー」といった超大型ビルの稼働が影響している。なお、名駅におけるここ数年の貸室面積の減少は、大名古屋ビルヂングなどの建て替えに伴う一時的な減少である。
栄との格差広げる
オフィスビルの空室率は03年以降、常に名駅地区が栄地区を下回っており、特にここ数年は大名古屋ビルなどの建て替えに伴い、名駅地区の空室率の改善が目立っている。また、平均募集賃料においても、名駅地区が栄地区を常に約1500円程度上回って推移している。
最近はBCP(事業継続計画)への対応意識から設備水準の高いビルが求められており、企業の求めるビルのスペックを備えたオフィスの供給が名駅地区に集積していることが背景として挙げられる。
更に名駅地区では、15年秋竣工予定の大名古屋ビルヂング及びJPタワー名古屋があり、続いてJRゲートタワー、新・第二豊田ビル、グローバルゲートと大型プロジェクトが目白押しである。
一方、商業の中心である栄地区においては、大津通沿いに「パルコゼロゲート」が10月10日に開業し、また、11月1日に「ドンキホーテ名古屋栄店」が開業したが、名駅地区の開発状況には遠く及ばず、両地区の商業格差は今後とも拡大が続くものと思われる。
(日本不動産研究所東海支社、不動産鑑定士・石塚輝夫)


























