日本不動産研究所 全国の地価 ~その軌跡と変わる街 (24) 滋賀県大津市・街中再生へ始動 駅周辺再開発が本格化 大津駅北側駅前に昨年完成した「COCOLAS大津」
住宅新報 2014年11月11日 号 14面
ランドマークの誕生
JR大津駅の北側駅前で進められてきた市街地再開発事業の施設建築物「COCOLAS大津」が昨年11月末に竣工した。地上29階建てで、低層階が店舗など、3階から29階が住宅の超高層建物で、一般には住宅部分の名称である「プラウドタワー大津」として知られている。
この事業の特徴は、土地区画整理事業との一体施行による市街地再開発事業である点にある。大津駅西地区は、JR大津駅から至近の位置にありながら、細街路と老朽化した木造住宅からなる古い町並みが形成されており、特に防災上と都市構造の観点から広幅員道路等の都市施設の整備が急務となっていた。
更に、駅前広場に面する街区を市街地再開発事業区に設定して高度利用を図ることにより、単なる細分化された土地の再生産にとどまらない、駅前にふさわしい街づくりの実現を目指したものである。
大津市は、中世・江戸時代より京都・大阪方面に米や海産物を取り次ぐ問屋町、東海道の宿場町として栄え、JR大津駅と京阪浜大津駅の間の旧大津宿周辺地域は「大津百町」と呼ばれ、現在でも多くの町屋が残っている。また、京町周辺には滋賀県庁や裁判所を始めとする多くの官公庁施設が立地している。
県内最高価格地譲る
しかし、中心市街地およびその周辺の居住者の高齢化、交通機関の発達による支店経済の崩壊およびにおの浜地区など湖岸の埋立地における新市街地の創出などにより、JR大津駅周辺の中心市街地は徐々に賑わいがなくなり、今では県内最高価格地の地位を草津市に譲っている。
こうした状況にあって竣工したCOCOLAS大津は、今やJR大津駅前のランドマークとなり、まさにJR大津駅周辺中心市街地再生のスタートが切られたように見える。県庁周辺では国有地(梅林1丁目)が昨年2月に入札により処分され、現在高層マンションが建築中(15年2月竣工予定)で、県有地では昨年9月旧滋賀会館跡地(京町3丁目)について事業コンペによる売却の仮契約がなされ、NHK大津放送局が移転する予定である(14年度現存建物撤去のうえ引き渡し予定)。
また、老朽化と耐震性の不足から08年末に閉鎖された旧体育文化館(武徳殿)も、日本建築史上の文化的価値を重視して民間活力を利用した再生が検討されている。歴史や文化との調和を図りながら土地の高度利用を行い、居住者を呼び戻して賑わいと活力を再生する活動は今始まったばかりである。
(日本不動産研究所大津支所、不動産鑑定士・目片 匡)
























