明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第55回 道路のバリアフリー スマートな側溝のデザイン
住宅新報 2014年10月21日 号 8面
【学生の目】
皆さんが日常生活で毎日歩く道路はしっかりと整備され、歩きやすいだろうか。また、美観はどうだろう。浦安のある道路の側溝に注目すると、見た目がスマートで、とても歩きやすく整備されていることに気がついた。側溝があることに気づかないほどだ(写真)。
側溝は道路の排水のためにあるが、露出型と蓋で覆う隠蔽型がある。前者は断面形状によりU字溝やL字溝などといわれる。都市部ではL字溝が多いが、道路と敷地との間にL字の短辺の長さ分の段差が生じる。車や自転車の出入りの障害となるため、段差解消用の部材をL字溝の上に置くことがある。私物を公共の道路に設置しており、問題がないとはいえない。排水機能が阻害されることも問題だ。L字溝部分は歩くことも可能だが、傾斜があり歩きにくい。道路幅員には含まれるが広さとして有効とはいえないように思う。
側溝には排水のための勾配が必要で、集水枡方向に傾斜があるが、露出型では勾配が見えて安定感がない。また、コンクリート色は見た目に冷たい。
一方、隠蔽型の側溝が整備されるとたくさんのメリットがあると気づいた。平らで歩きやすく、車や人とすれ違うときなど、溝を気にすることなく外側に寄ることができる。雨の日など滑りやすいL字溝の上でスリップしてケガをすることもない。段差や勾配がなくすっきりとしていて道が広く見えるメリットもある。仕上げがきれいだし、高齢者や車椅子にも優しい。
デメリットもある。排水の隙間が小さく、タバコなどが詰まるとなかなか取ることができない。ガムや紙くずなどのポイ捨てによるゴミも多く見られる。これらが詰まってしまうと排水できないため、定期的な掃除が必要だ。
また、ステンレス製の目皿が外れると自転車や車椅子、ヒールをはいている女性やペットなどが溝にはまる危険性が出てくる。日常の点検も不可欠だ。工事費も気になる。露出型のL字溝の工事費は安いが、隠蔽型は水路部分と蓋の部分が二重になる、蓋の構造が複雑になるなど割高になる。しかし、人々の安全と街の美観を高めることを考えればデメリットではなく、必要な費用ではないだろうか。
私が住宅を選ぶなら間違いなく隠蔽型の道路を選ぶ。土地の価格は道路の幅に影響されると勉強しているが、道路の使いやすさや美観も同じ程度に重要だ。 (山崎映里 不動産学部1年)
【教員のコメント】
機能とデザインの両立が悩ましい。一般論として機能美はもちろん存在するが、デザインによって機能が覆い隠されたとき新たな価値が生まれる。家電や工業製品で経験する事象だ。都市インフラがこの段階に入り始めていて、若者は見逃さない。
























