老舗不動産会社の集まりである「東京都不動産のれん会」の代表を務めて1年が経過した。「モラルがあり、『自分さえ良ければいい』と考える方は一人もいない」。会員は48社。日本の不動産業の礎を築いてきたと言っても過言ではない社名が並ぶ。〝のれんの重み〟が会員企業の誇りとプライドとなり、責任ある行動へとつながっているようだ。「小さな会だが、誰でも入れるわけではない。(代表としての)残り1年、信用・信頼を落とすことのない運営を心掛ける」。
歴史の分だけ様々な経験をする。社長を務める田園都市(東京・池袋)は、創業から55年。オイルショック、バブル崩壊、リーマンショックの苦しさにも直面した。時代に応じた営業手法、業態の転換。守りから攻めへ、時にはその逆も。「開発」と「管理」という成長と安定の両輪で動く会社となった。「先代が用意してくれたステージがあるからこそ」。今後は海外投資など、先を見据えた戦略も練る。
1952年生まれ。慶応大学卒業後、大手証券会社を経て20代後半に入社。不況に突入した状況下、「源泉営業」へと方針転換した力強い営業部の先頭に立ち、実績を積み上げた。先代の背中を見ながら20年弱、実務と経営の両方を学び、97年に社長就任。それから17年、時に経験した苦しい状況を救ってくれたのは、先代が残した良質な管理物件と、歴史ある〝のれん〟だ。「目利き力はさすがです」。オーストラリアのキャンベラにある186室のホテルは、先代が取得してから20年以上経過した今でも安定稼働している大きな財産の一つだ。























