ニュースが分かる! Q&A 国交省の重点施策は 空き家対策に予算・税制も
住宅新報 2014年9月16日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者A 15年度の概算要求と税制改正要望が8月末に出たらしいな。
記者B ああ、概算要求は全体で6兆を超える大型なものになった。被災地の復興、地方の創生、人口減少の克服、防災・減災・老朽化対策による国民の安全・安心の確保を図る内容が主な項目だ。
A 住宅・不動産関連分野での注目点は何だい。
B スマートウェルネス住宅、密集市街地総合防災、長期優良リフォーム事業などいろいろあるが、中でも注目は、「空き家対策」だろう。
A 新聞でも、空き家が増えたという記事が出ていたな。
B そう。総務省の調査では、全国の空き家は820万戸で前回の調査に比べて8.3%、63万戸も増えた。総住宅数に占める割合も13.5%になった。
A すごい数だなあ。
B そう。まさに空き家対策は喫緊の課題と言っていいだろう。
A なるほど。で、どういう対策に出るんだい。
B 空き家がなぜ問題になるかといったら、管理が行き届かず、老朽化してしまい、衛生や景観の悪化や防災性・防犯性の低下、ゴミの不法投棄などが起きて、居住環境が悪くなってしまうことだ。適切な管理が行われるよう、空き家を活用したり、場合によっては除却したりするため、空き家所有者に対する相談体性の整備などについて支援を行っていく。
A そのぐらいで大丈夫なのかい。
B 税制改正も併せて要望している。空き家対策を阻害する税制を知っているかい。
A はて。
B 固定資産税の特例措置なんだ。人の居住の用に供する家屋の敷地に適用される住宅用地特例がそれで、小規模住宅用地(200m2以下の部分)については課税標準を6分の1に、一般住宅用地(200m2を超える部分)については課税標準を3分の1にそれぞれ軽減するものだ。
A 有名な特例だね。これでかなり助かっている住宅の所有者は多いんじゃない。
B その通り。しかし、これがネックになり、空き家を除却しない人が多いんだ。除却してしまうと、特例が受けられなくなり、固定資産税の税負担が増えてしまうからね。費用を出して除却して、結果持ち出しが増えるんでは、だれも除却など行わないよ。
A それはそうだな。すると、この特例措置を廃止するのかな。
B それは、相当な影響が出るので難しいし、空き家対策のために、普通の住宅に住む人の負担が増えるのもおかしいしね。国交省では、地方税の担当庁である総務省などと協議して、いい方法を考えたいとしているが、有識者の中でも様々な意見があるので、難しいようだ。
A 廃屋に近いものなど老朽化している空き家の定義を決めて、その空き家が建っている住宅用地については軽減措置を適用しない、というのはどうだい。
B それも1つの考え方だ。そういう空き家を誰が判定するかなど難しい面もあるが、特例措置がなくなれば、除却し、その土地を売ったり、貸したりするなど処分が進むかもしれない。また、逆にこういう方法もある。空き家を除却しても、一定期間は特例措置を継続適用するというものだ。これなら税負担は増えないので、安心して処分が進むという考え方だね。
A なるほど、アメとムチという感じか。
B ただ、税制だけで対応するのは難しい。先ほどの国交省の対応や地方自治体独自の対応など、やれることをしっかりやることが求められるだろう。というのは、空き家と言っても、いろいろ状況が違う。賃貸に出している空き家もあれば、所有者が高齢者福祉施設に行って空き家になっているものもあるし、所有者が亡くなってしまって空き家になっているものもある。また、空き家が所在する場所でも違ってくる。都心なら処分はしやすいというが、老朽化した団地などではどうか。むしろ、地方でも農業をやろうという人たちのIターンの受け入れ先、居住地になることも可能かもしれない。まさに、国と地方自治体、そして市民が一緒になって考えていく問題と言えるね。






















