明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第49回 品位を汚す広告 景観を損ね治安の悪化に
住宅新報 2014年9月9日 号 4面
【学生の目】
浦安市を歩いていると電柱に不動産広告が掲載されていた。幹線道路との交差点には、不動産広告を張り付けたカラーコーンも設置されていた。私はこの広告に、いいようのない不快感を覚えた。
屋外広告の掲示は屋外広告物法に定めがある。同法は、良好な景観の形成や風致の維持、公衆への危害を防止する法律で、都道府県、政令市、中核市が「条例で広告物の表示等を禁止することができる」(屋外広告物法3条)。浦安市に適用される千葉県屋外広告条例では、「電柱又は街灯柱には、はり紙若しくははり札等を表示し、又は広告旗若しくは立看板等を設置してはならず、道路の路面には、広告物を表示してはならない」(5条)とある。市内で見たカラーコーンも電柱広告も条例違反の可能性が高い。
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会の平成25年度事業報告によれば、「屋外広告物法及び同法に基づく条例に違反する無許可の電柱ビラ等の屋外広告物については、表示関係の規約に基づき必要な措置を採る」とあり、不動産の表示に関する公正競争規約により取り締まりが行われる。更に、宅地建物取引業法(以下、宅建業法)が定める取引態様の明示など、不動産広告に必要な情報がなく、宅建業法にも違反する。
違法広告は姑息で、将来、不動産の仕事をしようと思っている若者として憤りを感じる。正規広告に必要となる広告料を節約し、不法の手段で顧客を誘導して不当に利益を得ようとするのは、低俗で卑怯なやり方と言わざるを得ない。しかし、一般消費者には宅建業法や公正競争規約のことは分からない。
違反広告を出す会社も違法と分かっているため、社名、代表番号など会社を特定できるものは載せず、代わりに個人の連絡先を掲示する。広告設置の瞬間に取り締まりを受けるケースもあるが、取り締まりを受けた新人社員らが処罰され、会社にはダメージが及ばないとも聞く。
違法でも市民が勝手に撤去できないことが原則である。前述の取り締まりが行われるとはいえ、即効性は疑問だ。違反広告は街の景観を損ねるだけでなく、治安の悪化にもつながる。一刻も早く倫理観が高く、違法広告のない時代になってほしいが、それまでの間、街汚し、不動産業汚しの行為を許さない仕組みが必要だ。駐車違反の取り締まりのような民間活力を利用した仕組みなどが検討されてよい。(木下さわこ 大学院博士前期課程1年)
【教員のコメント】
不動産業が信頼産業として社会から尊敬されるために、順法性は最低限の要請である。一部の不心得者の不当利得と比較して不動産業および社会の逸失利益はあまりに大きい。不当利得に百倍するペナルティがあってよい。
























