政府税調 軽減税率、コスト負担で難色 簡易な給付、税額控除を主張
住宅新報 2014年6月17日 号 2面

政府税制調査会
政府税制調査会(写真)はこのほど、自由民主党・公明党(与党税制協議会)が公表した「消費税の軽減税率に関する検討について」を踏まえ、各委員から意見を聞いた。出席委員のうち、軽減税率導入に賛成したのは2人だけで、ほとんどの委員が反対した。
与党税制協議会がまとめた検討案は、軽減税率を食料品だけに設定したもので、対象品目を「すべての飲食料品」にしたもの、「そこから酒を抜いたもの」、「米、味噌、しょうゆ」、「精米」など8種類の例を挙げ、その課題などについて整理。併せて区分経理について4種類の案を示している。
軽減税率に反対の委員の意見は、「線引きが難しく、区分困難な事例が数多く存在しており、軽減税率を適用する場合、消費者が納得でき、事業者が適切に区分できるか」、「軽減税率は欧州で取り入れられているというが、実際はやめたくてもやめられない状況。現地の声を聞くと、単一税率が一番という」、「徴税コストが掛かる上に、事業者の納税コストも多くなる。中小企業が対応するのは困難だ」、「もし食料品すべてを対象にして、今の8%に据え置くと、税収が1兆3200億円減収する試算(財務省試算)がある。これでは社会保障がおろそかになる」――などというもの。
賛成の委員からは、「日用品などに多くの税率がかけられるのは、一般消費者にとって負担が大きく、軽減税率の考え方も必要だ」、「逆進性に関し、低所得者に対応するには軽減税率も一つの方法だ」――という意見があった。
逆進性については、「消費額が多いのは高所得者なので、軽減税率を実施しても、高所得者にとって有利となるだけだ。低所得者対策のためには、税額控除や簡易な給付金のほうが実効的だ」という意見が多かった。
また、軽減税率を導入するか否かにかかわらず、現在の簡易課税制度を廃止し、インボイス方式(伝票方式・今週のことば)を導入し、国際化を図るべきとの意見も出た。
中里実会長は、「今後、与党税調の動きを見ながら、指摘や説明すべき点は説明し、多くの国民のコンセンサスを得た結論を見つけていくべき」と話し、与党税調の動きを注視する考えを示した。


























