情報通信技術の進化で、いつでもどこでも働けるようになった。働き方が変化する時代に、オフィスやオフィスビルの存在意義、役割はどこにあるのか。約2年かけて設計や不動産、オフィス家具、法制度など様々な分野の専門家27人で議を重ね、このほど研究結果を1冊の本『オフィスビル2030 近未来、オフィスビルは必要か?』にまとめた。5月末に開かれた出版記念シンポジウムには約500人が集まった。
オフィス仲介の三幸エステートの創業メンバー。約40年間、業界を見続けている。オフィスビルの将来を見据えると、今すぐにでも改善すべき点は多い。「例えば、建築基準法では、建物の竣工時に構造体と内装が全体として使用可能でなければならない。つまり内装が完成していないと使用開始できない。そのため、ビルオーナーはテナントが未定のフロアも標準内装で仕上げる。後から入ったテナントは、その内装が自社にマッチしていなければ、新品のそれらを撤去し、つくりかえる。多くの新築ビルではこれが日常的に行われており、大きな無駄が出ている。仮使用承認制度もあるが、実用的でなく使いにくい」。
競争の激しい時代。テナント企業は、より収益性、効率性を高めるためにオフィススペースをカスタマイズする傾向は強い。加えてカフェや時間貸しオフィスを仕事場として活用するケースも増えてきた。「従来型のオフィスビルではテナントから選ばれなくなる可能性がある」と危機感を強める。























