シリーズ営業の壺 今、住まいとは(1) 野村不動産住宅営業二部部長笠原一俊氏に聞く 顧客の〝夢〟―共に語り合う
住宅新報 2014年5月27日 号 1面
連載: 営業の壺
――なぜ、たくさん売れる営業マンと、成績が上がらない営業マンがいるのでしょう。
「商品(物件)の説明ならだれでもできる。スペックとか、耐震性とか。そうではなく〝夢〟をお客さんと語り合う営業ができているか――。そこが、分かれ目となる」
――夢とは何でしょう。
「このマンションに住んだら、どんな生活が手に入るか、どういう楽しいことがあるのか。何千万円もの買い物だから、なるべく具体的に夢を描く必要がある」
「家族が幸せになるストーリーを語れること。ハッピートークができないといけません。だから営業マンは想像力が豊かでないと……」
――ということは、営業職に向いているのは。
「人に関心がある。人間が好きでなければ務まらない仕事だと思う」
――営業マンの年代は?
「20代後半から30代前半が中心。できる営業マンの特徴は、表現力が豊かなこと」
――女性の割合は。
「ちょうど今、半々ぐらいになった。2000年に入ったころから女性を増やし始めた。この戦略は見事に成功している。毎年の成績上位組には必ず女性が入っている」
――〝プラウド〟というブランド力は、成約にどれぐらい寄与していますか。
「それは難しい質問。ただ、かなりの力で働いていると思う。集客にはものすごく寄与している。〝世界一の時間へ〟というイメージ戦略も確実に浸透し成功している。昔から言われているが、住まいは女性と子供が主役。ファッションと同じで、売るためには流行を創り出すことが必要だ。女性の感性に訴えることがポイント」
――震災以降、安全・安心がキーワードになりましたが。
「確かにそう。でも、大手ディベロッパーが売る商品は、そうしたハードやソフトは万全に整備されていて当然だから、そこでの差別化は難しい」
「それから、住まいにはやはり〝夢〟だけでなく、〝ステータス性〟がある。『マンションを買ったよ』と言えば、必ず『どこの?』と聞かれる。そのとき、『プラウド』と言えることも心をくすぐる」
――マンションと戸建て、迷う人は少ないですか。
「そう。我が社の場合は、マンションならマンションと決めてくる人が多い。立地、利便性、セキュリティなどの実利を重視する人がマンション派だ。鉄道が複数路線使えることも人気の要因となる」
――家を買う事情で、近年の傾向は。
「昔は、結婚して子供が生まれてからという人が多かったが、最近は結婚と同時、あるいは結婚前というケースも増えている」
――低金利で買いやすいということから、一段と若年化が進んでいるのだと思いますが今、気になっていることはありますか。
「住宅取得適齢期の30~35歳の人たちによる成約が少なくなりつつある。それがこの年代のボリュームが小さくなってきているからなのか、この年代特有の感性が影響しているのか研究したい」
「住まいに対するニーズが変わってくる気がする。スペックとか間取りとは違う何かがありそうだ。家を買う人口が減るのだから、深いニーズを探ることが重要になる」


























