全国住まい・地元 再発見 一般財団法人日本不動産研究所 (50) 北海道・札幌市内住宅地価の動向 中央区、6年ぶり上昇に転換
住宅新報 2014年5月20日 号 12面
連載: 全国 住まい・地元 再発見
短い春と夏を楽しむ
今年の冬は北海道に長く居座り、4月下旬にようやく春めいてきたかと思えば、道東では夏日も聞かれるなど、寒暖の差が激しくなっています。それでも道北では5月初旬まで降雪が見られますから、暖かくなったと手放しでは喜べません。
毎年、雪の降り始めは10月中旬。ニュースで大雪山の初冠雪の知らせを聞くと、そろそろ雪の季節かと気持ちを切り替えます。札幌市内の初雪は11月、積雪が始まるのは12月中~下旬ですから、雪のない季節は5月~11月の7カ月。11月は気温も10度以下になりますから、短い春と夏を楽しむわけです。
首都圏は今年2月、雪で大混乱していましたが、北海道で雪は当たり前。うまくつきあっていく必要があります。北海道の道路は本州の市街地に比較して広く整備されています。降雪期の道路は除雪された雪が道路端にうず高く積まれ、住宅地の8メートル道路は4メートル、片側3車線の道路は2車線道路になってしまいます。
雪の多い地域だからこそ、雪が経済活動に影響を及ぼさないよう交通網も整備されています。札幌市内は、市営の地下鉄各線(南北線、東西線、東豊線)が大通駅を中心に各地区に伸びています。一部で地上を走る南北線も、雪の影響を受けないよう高架シェルターで覆われた軌道を走ります。
建築費高騰の影響
これら地下鉄駅周辺の住宅地は人気が高く、また、マンション用地としても取引が活発で、14年地価公示では、地下鉄駅徒歩圏の住宅地の地価は上昇傾向が顕著となりました。特に、利便性が高い中央区内では住宅地の地価が軒並み上昇しました。このような地価上昇は08年以来です。ようやく地価は底を打ち反転か、と言いたいところですが、気になるのは建築費の高騰です。住宅着工統計によると、貸家の着工が減少傾向になっています。建築費の高騰による着工抑制が働いていると思われます。
最近では、分譲マンションの建築も建築費の高騰分を販売価格に転嫁できる中央区などの一部の地域に限定されつつありますが、高額化するマンション分譲価格に耐えられるエンドユーザーの厚みがどの程度残っているかによっては、マンションの売れ行きにも影響が出かねないところです。
上昇がみられた札幌市の地価も、短い夏とならなければよいのですが。
(日本不動産研究所北海道支社、不動産鑑定士・平澤隆徳)
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このシリーズは今回で終わります。次号から新シリーズ「全国の地価」を掲載します。



























