明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第34回 戸建て住宅地の管理 よりよい住環境づくりのために
住宅新報 2014年5月20日 号 9面
【学生の目】
浦安市日の出にある閑静な住宅街は建築協定、緑地協定、まちなみルールブックがあり、一軒一軒に木や芝生があって統一感がある。手入れされた庭先に季節の花が咲いて安定したコミュニティを感じる。
外周からの車の出入り口は4カ所に限られ、不要な人の進入を制限している。米国のゲーテッドコミュニティに似ているが、ゲートはなく、出入りは自由である。人通りが少ないせいか、街区内の広い道路は車が速度を落とさずに走り、危険を感じた。安全のため交差点を石敷きとして目立たせた逆効果なのか。
ここの自治会は組合組織で分譲マンションのような管理規約がある。区分所有建物に適用される区分所有法は通常の住宅地には適用されず、同法が規定する管理組合は必要ない。しかし同法65条は「団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、それらの所有者は、全員で、その団地内の土地、附属施設(中略)の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる」と定める。
戸建て住宅地でも、共有の土地や建物がある場合は同法を適用し、管理組合を組織できる。ここでは住宅地内の自治会集会所を共有して同法に該当する団地とし、管理組合を作っている。管理組合は外部の管理会社に管理、運営を委託できる。現在、住民自ら管理、運営しているが、よりよい住環境をつくるために外部委託し、プロの支援を得ることも可能だ。
超高齢社会では、住宅の資産価値は新築時が最高で、時間と共に減価するという今までの常識を覆す必要がある。時間の経過によって価値が高くなっていくためには適切な維持管理が不可欠だ。管理を放棄した住宅があると地域全体の価値が低下するので、地域全体で取り組むことも重要となる。戸建て住宅地でも区分所有法が適用できることを知り、管理組合で維持管理することは有効な方法だ。
分譲会社は、売って終わりではなく、住宅地としての資産価値を維持向上する仕組みも合わせて売ることが重要だ。コミュニティの形成を容易にするため組合の立ち上げ、規約の作成、イベントの立案などまでハウスメーカーや販売会社が行うべきだろう。(小高俊樹 不動産学部4年)
【教員のコメント】
「マンションは管理を買え」と言われて久しい。管理の稚拙が資産価値に如実に表れるからだ。これからは「戸建て住宅こそ管理を買え」と言われそうだ。転売派が過半となり、「住み潰す」派を上回る時が分水嶺だが、管理は「1日にして成らず」だから、「転ばぬ先の杖」として地域管理に取り組む必要がある。
























