明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第28回 建物の用途と外観 「らしさ」が薄れるデザイン
住宅新報 2014年4月8日 号 3面
【学生の目】
東京都千代田区内幸町に解体中の建物がある。旧日本長期信用銀行本社屋だ。長大な片持ち梁(はり)が特徴のビルで1993年の新築だが、近年建てられた隣地の最新ビルと比較しても遜色ないグレードの高さだ(写真)。もっとも、長大な片持ち梁は不安定で銀行の建物らしくないとの意見はあった。所有権を取得した投資ファンドは、再生ではなく建て替えを選択した。コストをかけた立派なビルだが特殊な自社仕様で汎用性を欠くことが解体の理由である。新ビルは収益性と汎用性を重視し、一般的な意匠となろう。
大都市と地方都市の違いは高層建物の多寡だけでなく、個々の建物が発する情報の濃さにあるように感じる。地方都市では銀行は荘厳な雰囲気の建物に入っていることが多い。駅には駅の形があり、ガソリンスタンドは見るからにガソリンスタンドだ。用途ごとにそれらしい形状があり、らしさを通じて一目で把握できる土地や建物の状況がその場所のイメージを形成する。その理解のしやすさが自分と都市や地域の関係に安心感を与える。























