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スタンダード会員限定海外投資家、日本に熱い視線 Jリート取得額、前年比3倍 大型取引が復活 投資対象が多様化

住宅新報 2014年2月25日 号 10面

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  • (図表1)J-REITによる物件取得総額の推移

    2 / 5(図表1)J-REITによる物件取得総額の推移

  • ※各投資法人公表資料を基に日本不動産研究所作成図表2)13年に新規上場したJ-REIT

    3 / 5※各投資法人公表資料を基に日本不動産研究所作成図表2)13年に新規上場したJ-REIT

  • (図表3)不動産投資家の期待利回りの推移〈東京〉 ※日本不動産研究所「不動産投資家調査」オフィス=東京丸の内・大手町地区、住宅=東京城南地区、商業施設=東京銀座地区、物流施設=東京湾岸エリア

    4 / 5(図表3)不動産投資家の期待利回りの推移〈東京〉 ※日本不動産研究所「不動産投資家調査」オフィス=東京丸の内・大手町地区、住宅=東京城南地区、商業施設=東京銀座地区、物流施設=東京湾岸エリア

  • ※日本不動産研究所「市街地価格指数」(東京区部・最高価格地)(図表4)東京/最高価格地の地価推移

    5 / 5※日本不動産研究所「市街地価格指数」(東京区部・最高価格地)(図表4)東京/最高価格地の地価推移

 昨年以降、不動産投資市場は回復の傾向が鮮明になった。好調なJ-REIT(リート)や私募リートの不動産投資額は大幅に増加しており、投資対象もオフィスや住宅・商業施設のほか、ホテルや物流施設などに再び広がりを見せ、復活を遂げた日本の不動産投資市場に海外投資家も熱い視線を注いでいる。一方、国内では、成長戦略の一環として、公的・準公的年金の不動産投資の必要性が議論されており、これが本格化すれば、不動産投資市場は更に厚みを増し、成熟市場への新たな段階に入ると言えるだろう。                (日本不動産研究所研究部・愼明宏)

 13年は、不動産投資市場にとって、「再起動(Restart)の年」であったと言えよう。

 12年12月に発足した第2次安倍政権は、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」のアベノミクス3本の矢を掲げ、円高是正、デフレ脱却を至上命題とし、国内経済は回復の兆しが鮮明になった。更に、13年7月の参議院選挙により「衆参ねじれ問題」は解消し、9月には東京五輪誘致が決定するなど、再スタートを切った不動産投資市場には、多くの追い風が吹く、そのような展開が続いた。J-REITの値動きを表す東証REIT指数は13年の大発会には、1143.37ポイントであったが、3月末に1642.79ポイントに伸び、大納会では1515.01ポイントで躍進の1年を終えた。この1年間で、32.5%も上昇したことになる。

投資市場の牽引役に

 活況だった13年の不動産投資市場の牽(けん)引役は、なんと言ってもJ-REITによるところが大きかった。12年末以降、J-REITの投資口価格上昇を背景として、新規上場や公募増資が相次ぎ、物件取得も急激に拡大した(図表1)。昨年のJ-REITによる物件取得価格の総額は、約2兆1380億円にのぼり、12年実績の約3倍にも拡大した。01年にスタートしたJ-REITだが、その取得価格の累計総額は約12.5兆円にのぼる。このうち、13年の取得額は全体の約17%を占め、リーマンショック前のいわゆるファンドバブル最盛期の水準に近く、13年の不動産投資市場はまさに活況であったといえる。

 13年は大型取引の復活も大きな話題となった。

 通称「軍艦ビル」で知られる「芝パークビル」は、香港投資家やセキュアードが参加する企業連合が取得したが、その取得価格は約1170億円と言われている。「ソニーシティ大崎」は日本ビルファンド投資法人と国内機関投資家に譲渡されたが、その譲渡価額は1111億円であった。更に、高島屋は新宿南口の旗艦店「タイムズスクエアビル」の持分を追加取得したが、その取得価格は1050億円だった。13年2月に上場した「日本プロロジスリート投資法人」の上場時資産規模が、約1730億円(物件数12件)であったことを考えると、上記3取引のスケール感がうかがえる。また、13年3月には、パナソニックの東京拠点「パナソニック東京汐留ビル」を三井住友ファイナンス&リースと日本ビルファンド投資法人が507億円で取得した。このように、企業の財務体質改善のための資産譲渡をJ-REITや国内外の機関投資家が買い支える構図が、大型取引が多数成立する背景となったのも13年の特徴的な傾向であった。

 以上のように13年の不動産投資市場は、J-REITによる不動産投資が大きく牽引した。良好な資金調達環境を背景に、新規上場や既存REITの公募増資が相次ぎ、投資対象もオフィスや住宅、商業施設などの従来型投資用不動産のほかに、物流施設やホテルなどへと「再び」投資対象の裾野が広がったのも昨年の大きな特徴であった(※こうした投資対象の広がりは、06年のファンド・バブル期にも見られた。ただし、その投資規模は13年の方がはるかに大きい)。

 13年2月に上場した「日本プロロジスリート」は、物流施設の開発・運営を手掛ける米系大手プロロジスによる物流特化型REITであり、7月には星野リゾートグループによるホテル・旅館特化型のREITが新規上場した。

 更に、REIT組成の計画が報道されて以降、多くの市場関係者の注目を集めた流通最大手イオングループが組成するイオンリートが、「イオンレイクタウン」(取得価格計=約279億円)などを旗艦ポートフォリオに総額1580億円の規模で新規上場を果たした。イオンリートは、上場と同時にイオングループがマレーシア・ジョホールバルで手掛けるショッピングセンターをポートフォリオに組み入れることを発表しており、J-REIT初の海外不動産投資事例として注目を集めている。

積極的な新規投資、継続へ

 不動産投資家の投資姿勢にも確実な変化が見えた。J-REITによる投資不動産の拡大は、物件取得競争を招き、結果として、投資家が許容する期待利回りの低下を招く(=不動産価格が上昇する)が、13年の不動産投資市場においては、この傾向が鮮明に現れた。

 当研究所が実施している「不動産投資家調査」(13年10月調査)においても、不動産投資家の期待利回りは、ほぼすべてのアセットにおいて低下した(図表3)。また、今後1年間の投資姿勢(複数回答可)についても、「積極的に投資を行う」が91%を占め、「既存所有物件を売却する」(26%)、「当面、新規投資を控える」(5%)を大きく上回る結果となり、当面は新規投資に対して積極的な姿勢が継続する公算が高い。

地価が着実に上昇

 このような傾向を受け、投資不動産適地の地価も着実に上昇に転じている。

 図表4は、当研究所が実施した「市街地価格指数」調査のうち、東京の最高価格地の地価推移を追ったものである。東京区部の最高価格地(00年=100.0)は、バブル崩壊後、リーマンショック前の最高値として08年3月に172.4を記録したが、リーマンショック後の11年3月期には128.8まで低下した。

 しかし、第2次安倍政権の発足による経済回復への期待から13年3月期には130.9に反転し、13年9月期は135.2と投資不動産適地の地価は上昇を強めている。

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