新住まいの「ことわざ」<204> 方位家の家潰し 松岡英雄
住宅新報 2014年2月18日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
江戸の町は、江戸城を真ん中にして、広大な面積を誇る上野寛永寺を鬼門である北東の方角に配置し、裏鬼門にあたる南西の方角には徳川家の菩提寺である増上寺がつくられている。
江戸を都市計画によって、平安京と同じく風水で守ろうとしたのである。
また、江戸城から北の方角に日光東照宮があり、家康が祀られている。この日光東照宮は、久能山東照宮と霊峰富士山を結んだ延長線上にある。これは、富士(不死)の山を越えると永遠のものがあるという信仰に因んでいるという。
鬼門とは、広辞苑によれば、陰陽道で、鬼が出入りするといって万事に忌み嫌う方角で、艮(うしとら)すなわち北東の称。
表題の言葉は、方位にこる人は家を潰す。方角の吉凶などにあまりにこだわっていると身動きできなくなり、家が栄えず、また、家を潰してしまうということ。方位家は、陰陽道などの術を行う人。方位にこる人。
「辰巳(たつみ)の門に戌亥(いぬい)の倉」は、敷地の東南に門を設け、西北に倉を建てるのを吉とする。「鬼門に便所や倉を造るな」は鬼門を忌んでいい、台所の向きについていう地方もあり、病人が絶えないともする。
方位や家相にこだわる施主は建築家泣かせという。広い敷地に建築するのであれば希望も叶うだろうが、都会では所詮無理な話である。そうではあるが、できれば鬼門を避けたいという気持ちも理解できなくはない。 (エッセイスト)






















