トータルブレインのマンション最前線 首都圏供給の物件 13年の販売状況は 「都内」人気エリアが大幅改善 「郊外」需給バランスで苦戦も
住宅新報 2014年1月14日 号 8面

マンションの販売状況
13年の首都圏マンション市況は、好調が伝えられた。不動産経済研究所によると、年間の供給戸数は5.6万戸の見込み。5万戸を超える供給はリーマンショック前の07年以来、6年ぶりだ。では、好調物件はどれくらい増えたのか。一方で、好調な市況下で苦戦したエリアはあるのか。マンションコンサルを行うトータルブレインが13年(11月初旬まで)に販売された物件について、事業者ヒアリングなどを通じて実態検証を行った。
35.1%(12年)→42.0%(13年)。首都圏で供給されたマンションそれぞれの販売状況について、トータルブレインのヒアリングに事業者が「好調」と答えた物件数の割合だ。13年は前年から約7%増えた。「苦戦」回答は前年から9%程度少ない22.4%。12年に比べると、全体的に好転した状況がうかがえる。
エリア別では、東京23区の好転が顕著だ。「好調」は48.1%。「苦戦」はわずか15.7%だった。中でも都心6区、城南4区、城西3区といった人気エリアの好調が目立つ。いずれも「好調」回答が半数を超えた。都心は60.6%が「好調」と答えた。
3エリアの好調はアベノミクス効果が大きい。トータルブレインは、「円安や株高を背景に国内富裕層やアッパーサラリーマン層、海外富裕層の動きが活発化したため、都心ハイグレード商品の売れ行きが劇的に好転した」と指摘。城南、城西エリアもアッパーサラリーマンの動きが追い風になったという。
特に3エリアは、販売価格が上昇しながらも好調だったことが特徴と言える。都心の平均販売価格は12年比13%上昇、城南は同5~6%上昇、城西は同7~8%上昇だ。中でも、「都内・都心の好立地物件は、25~30%上昇した価格水準でも好調に売れている」(トータルブレイン)状況だ。
トータルブレインはこの要因として、前出のアベノミクスを背景にした、大企業の業績回復による所得回復期待▽株高による富裕層の資産効果の高まり▽海外富裕層の投資マネーの流入――の3つに加えて、「15年の相続税改正による親からの住宅資金贈与による頭金の充実」も大きいと見る。
こうしたことから、トータルブレインは今後について、「都内などのアッパーサラリーマン層が好む好立地は、価格についても思い切ったチャレンジが可能と考えられる」と言及している。
価格上昇厳しい地域も
一方、郊外部は厳しさがうかがえる。埼玉や千葉は12年から大きな改善が見られなかった。
埼玉の販売状況は「苦戦」が約4割を占めた。特に、「供給が多く、需給バランスの悪い浦和区や川口市内での苦戦例が非常に多い」という。
千葉も12年に比べるとやや改善しているものの、「苦戦」が35.1%だ。埼玉エリア同様に供給が多く、需給バランスの悪さが背景にあるようだ。
もう1つ、両エリアには共通点がある。好調物件について、事業者にその要因を聞くと、「立地」の次に「価格」が挙がった。
こうしたことから、トータルブレインは郊外部の今後について、都心などの好立地に比べて対照的な見通しを立てる。「(アッパー層ではないため)顧客の購入体力の回復が見られない。価格上昇は10~15%が限界。それ以上の価格上昇に消費者はついてこられない」としている。
























