中古市場拡大で特例創設 14年度税制大綱 買取再販でユーザー優遇 老朽化マンション対策― 「敷地売却」の要件緩和へ
住宅新報 2013年12月17日 号 1面
国交省提案、ほぼ100%回答
14年度税制改正大綱では、国土交通省が提出した住宅・不動産分野の要望事項はほぼ100%認められた。今後、消費増税による負担増がほかよりも大きくなる分野だけに、政府与党も一定の配慮を施したと見ることができる。
今回は、中古流通市場の拡大に向けた特例創設に重きが置かれたことも1つの特徴だ。買取再販で扱われる住宅をエンドユーザーが取得した場合、これまで、事業者と買主(エンドユーザー)に登録免許税(所有権移転登記)と不動産取得税が課されていたが、このうち、エンドユーザーが取得した際の登録免許税の税率を0.3%から0.1%に引き下げることが決まった。国土交通省としては、エンドユーザー側の課税免除を要望していたが、引き下げにとどまった。それでも、消費者の負担は軽減されるので、中古市場拡大の起爆剤として期待される。事業者がリフォームなど一定の質の向上を図るための改修工事を行うことが条件だ。14年4月1日から16年3月31日までの措置となる。
中古取得後の耐震改修 特例措置要件に追加
また、現在は耐震基準に適合した中古住宅を取得した場合には税制上の特例措置が受けられるのに対し、耐震基準に適合しない中古住宅を取得し、耐震改修工事を行った後に入居する場合は受けられなかった。これを耐震基準への適合が確実であると証明されたときは、前者と同様、住宅ローン減税、贈与税、不動産取得税の特例措置が受けられることになった。
建て替えを円滑化
構造耐力が不足している老朽化マンションについて、建て替えの円滑化を更に図る内容も盛り込まれた。
旧耐震基準に基づき建設され、耐震診断で耐力不足とされた物件が対象で、「認定建物敷地売却」という制度を創設した。「認定建物敷地売却」とは、老朽化マンションを取り壊してその敷地を売って区分所有権を解消すること。現在は、民法の規定が適用されるため、区分所有者全員の合意が必要となっているが、マンション建替え円滑化法を改正し、建て替え決議同様、区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数で行えるようにする。
税制上の支援としては、転出者である区分所有者が得る売却金について長期譲渡所得の軽減税率(2000万円以下の部分について15%→10%)、譲渡所得の1500万円控除などの措置が創設された。
また、現行の建て替え決議で建て替える場合は、施行者などに係る特例として、権利変換手続き開始の登記、権利変換との土地に関する登記の非課税措置など登録免許税上の優遇措置を16年3月31日まで行う。
新築住宅の特例延長 固定資産税減額など
このほか、新築住宅に係る固定資産税の減額措置(一般の住宅=3年間税額2分の1、マンション=5年間税額2分の1)の延長(16年3月31日まで)、認定長期優良住宅に係る特例措置の延長(同)、認定低炭素住宅に係る特例措置の延長(同)などが認められた。
国家戦略特区における税制措置では、国家戦略民間都市再生事業を定めた区域計画について内閣総理大臣の認定を受けたときは、都市再生特別措置法の認定があったとみなされ、この認定区域に基づいて行われる都市再生事業については、割増償却及び登録免許税の軽減が行われる。特区については、まだ事業が具体化していないため、来年具体化されてから細かい措置を検討していくことになった。
コンパクトシティ化も
また、コンパクトシティ実現のため、都市機能の計画的な配置などの推進を民間事業者が行いやすいよう、都市機能を誘導すべき区域の外から内への事業用資産の買い換え特例、誘導すべき都市機能の整備の用に供する土地等を譲渡した場合の特例措置なども盛り込んだ。
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軽減税率は実質先送りに
消費税が15年10月から10%になるのに伴い、軽減税率を設ける点については、自民、公明両党が対立していたが、「必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得たうえで消費税率10%時に導入する」として、実質先送りとなった。軽減税率に伴う事業者の事務作業や、対象品目の選定、代わりの財源などを検討し、14年12月までに結論を出すとしている。
また、消費税の事務負担を軽減する「簡易課税制度(今週のことば)」を見直し、不動産業のみなし仕入れ率を現在の50%から40%に引き下げる。企業の手元に残る益税を減らす目論見で、15年4月から導入される。
大綱に盛り込まれた住宅・不動産関連分野(国交省提出分)
◎新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長/◎老朽化マンションの建替え等の促進に係る特例措置の創設・延長(所得税・登録免許税・不動産取得税など)/◎認定長期優良住宅に係る特例措置の延長(登録免許税・不動産取得税・固定資産税)◎認定低炭素住宅の普及促進を目的とした登録免許税の特例措置の延長/◎居住用財産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例措置の延長(所得税・住民税)/◎中古住宅流通・リフォーム市場の拡大・活性化のための特例措置の創設・適用要件の合理化(所得税・登録免許税・不動産取得税など)/◎既存建築物の改修投資促進のための特例措置の創設(所得税・法人税・固定資産税など)/◎優良住宅地造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の延長(所得税・住民税など)/◎宅建業者等が取得する新築住宅の取得日に係る特例措置等の延長/◎都市再興に向けた都市機能の整備のための特例措置の創設


























