明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第12回 高架下を利用したまちづくり 魅力と可能性のある空間
住宅新報 2013年12月10日 号 3面
【学生の目】
今話題の旧万世橋駅に興味を持ち現地を訪れた。秋葉原の電気街から一歩離れ、神田川に架かる万世橋を渡ると現地だ。1923年の関東大震災で駅舎の大半を焼失した万世橋駅だが、赤レンガ部分に遺構の面影が残る。アーチ形の赤レンガをそのまま利用し、お洒落な店舗やカフェが並ぶ商業施設(mAAchecute)に再生した。高架下を物販や飲食店舗に使用する例は前からあるが、最近は計画的に配置された集合店舗として地域の活性化につなげている。旧万世橋駅に限らず「2k540 AKI-OKA ARTISAN」や「CHABARA AKI-OKA MARCHE」など秋葉原~御徒町駅間のJR高架下がその例で、不思議な魅力に私のような人間が集まる。
高架下が「まちづくり」という付加価値をもたらしている。地元の伝統芸能やアート、食を生かした出店、ワークショップなどのイベントによって地域特有の「食」や「文化」を通じたコミュニティが生まれ、伝統をふまえた新たなまちづくりが始まっている。実際、魅力と可能性を感じる空間だ。
高架は鉄道に限らない。都市部では高架道路も多い。高架道路下を第三者が利用するには占用許可が必要だが(道路法第32条、道路法施行令第7条)、従来は道路利用以外で占用させることは管理上好ましくないと考え、真にやむを得ない場合でない限り許可しなかったことから、高架道路下の利用は、事実上、広場、公園、駐車場等に限定されていた。
しかし、05(平成17)年に国土交通省は「高架道路下占用許可基準」を改正し、まちづくりや賑わいの創出のために高架下を利用することを認めた。高架道路下を利用したJR秋葉原駅周辺型の例が増えることが期待される。
高架下の建物は建築基準法の建築物で、通常どおり建築確認が必要だが、占用許可を得た第三者が建物を所有すると借地権が発生する可能性がある。道路管理者が建物を所有して賃貸する場合は借家権の問題がある。区分地上権を設定することも考えられるが、いくらで権利を設定するかで店舗経営が影響される。歩いただけではそれらの問題をどう解決しているかわからないが、魅力のある空間を実現するためはそのような問題も魅力的に解決しているように感じる。 (西浦亘太 不動産学部4年)
【教員の目】
魅力づくりの拠点として高架鉄道・道路下の利用が注目され、行政上の緩和も進む。魅力創出には、利用権設定に関する法的課題、権利の対価に関する経済的課題、構造安全性など、建築・工学的課題について統合的知見、すなわち不動産学の力量が必要となる。高架下は不動産業にとってもフロンティアである。




























