明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第11回 戸建て風アパート 街並みと違和感ない外観
住宅新報 2013年12月3日 号 3面
【学生の目】
住宅地で戸建てのような2階建てアパートを発見した。住宅地を歩いているといつも思うのだが、乱雑に建てられたアパートや統一感の無い景観など、見るに耐えないものがある。しかし、デザインに配慮されたこのアパートの統一感のある外観は、住宅地に溶け込んでいて違和感がない。そこで、住宅地に建てられるアパートについて調べてみた。
まず、なぜ日本の住宅地の景観はこのようになるのか? 用途地域を見てみよう。
日本の用途地域は12種類あるが、低層(法律上3階建て程度まで、実際には2階建てで利用することが多い)の住宅については2種類しかない。1つは第一種低層住居専用地域、もうひとつは第二種低層住居専用地域である。両方共、低層住宅の良好な環境保護のための地域であり、第二種では小規模の店舗は認められているが、第一種では独立店舗は建てることができない。しかし、この用途地域には戸建て住宅と集合住宅の区別はない。この用途地域内であっても低層であれば集合住宅を建てることができるということだ。
低層住宅の良好な環境保護ということに、住宅地の景観は含まれないのだろうか。住宅地の中に高い集合住宅が建つと景観は壊され、日照等の問題も出てくる。確かにそれは規制できているかもしれないが、低層であろうと、外階段が付いていて取って付けたようなベランダのあるアパートの外観は、戸建て住宅の良好な環境とは似ても似つかない。用途地域の規制だけでは、住みよい街はつくられないと思う。それが戸建て風アパートに注目した理由だ。
注目した戸建て風アパートがどんなものだったかというと、写真のように外観はとても落ち着いた雰囲気で戸数は4戸、アパートでは珍しく植栽を植えていて、外階段は外から見えにくいように設計されている。ベランダはつながって隣との境が突き破れるような簡素なものではなく、個々にベランダが付いている。4戸ということもあり、各部屋で窓が2面以上とられており、植栽もあるので住むならとてもいい所だと感じる。また、周りにも配慮している。
このように、「住宅地を歩いていて何でこんなものがあるのだろう」と感じるものを隠し、「住宅地にあったらいいな」というものをつくる、ということを実践したのがこの戸建て風アパートだった。 (松本和真 大学院修士課程1年)
【教員のコメント】
現在の都市計画法が制定され半世紀になろうとしているが、計画的な都市が形成されたとはいいがたい。用途地域の数が少なく用途制限が緩やかなことも理由の1つである。欧米では住宅を戸建て住宅と共同住宅に区別することが一般的だが、我が国では区別がない。
























