中古流通「情報一元化ストック」 〝使われる〟システムへ JARECO勉強会で進ちょく報告
住宅新報 2013年10月1日 号 3面
日米不動産協力機構(JARECO、代表理事=中川雅之日本大学教授)はこのほど、不動産流通市場の活性化に向けた『情報ストックシステム構想』をテーマに、定例の勉強会を開いた。同政策を管轄する国交省不動産業課の矢吹周平不動産業政策調整官がゲストスピーカーを務め、進ちょく状況などを説明した。
情報ストックの構築は、12年6月に策定された『不動産流通市場活性化フォーラム』提言に盛り込まれた施策の1つ。物件の品質や成約価格など、取引に必要な情報を一元化するシステムを構想している。住宅取得者の利便性向上と宅建業者の業務効率化の観点から、情報環境を整備することが目的だ。国交省はこれと併せて、業者間の情報交換システムであるレインズについても機能の拡充などを行う予定。
15年度の試行運用目指す
ストック構築に向けては6月以降、有識者によるワーキングチームを設けて検討を進めてきた。矢吹調整官によると、現在は実態把握や課題の抽出が一段落した段階。例えば、自治体や民間のインフラ会社などがそれぞれ保有する情報について、電子化の状況にばらつきがあることが分かったという。また、以前から指摘されていたプライバシー保護との兼ね合いについても「集めた情報をどこまで一般に公開するか」(矢吹調整官)といった問題点を、改めて指摘した。引き続き検討を進め、年度内にストックの基本構想を得る予定。現在、14年度予算として1.5億円のシステム設計費を財務省に要求している。15年度にはエリア限定で、システムの試行運用に着手したい考えだという。
ルールの徹底を
意見交換ではリビタ(東京都渋谷区)の内山博文常務取締役が、システム運用の前提として、宅建業者間で物件情報のやり取りが完結しがちである現状に言及。「いい情報はなかなか表に出ない。こうした入り口の問題が解消されなければ、(宅建業者がシステムを使う)動機付けが難しいのでは」と投げ掛けた。さくら事務所(東京都渋谷区)の長嶋修会長も同調し、「『(媒介受託した物件を)必ず登録する』、『物件の囲い込みはしない』というように、レインズのルール徹底をするべき」と指摘。これらの意見を受けて矢吹調整官は、「ハコのみを作って使われない状況は必ず避ける」と応じた。
更にこの論点を、大好産業(大分県大分市)の工藤英寿代表が掘り下げ、宅建業者の業態の観点から持論を展開。「賃貸管理を主力とするなど、売買仲介に力を入れなくてもビジネスが成り立つケースが多い。この場合、売主や買主の利益が軽視されてしまうこともある」としたうえで、「消費者に誠実に向き合うことで収益を上げるモデルを実践する時、情報ストックが不可欠」と結んだ。


























