新住まいの「ことわざ」<182> 大風吹けば古家の祟り 松岡英雄
住宅新報 2013年9月10日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
国交省に設置された「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会」(座長・中城康彦明海大学教授)が、「木造戸建は約20年で価値ゼロという『常識』が中古住宅流通市場にも担保評価にもいわば『共有』されており、相互に悪循環を招いている。原価法を抜本的に改善し、建物評価の適正化を図ることが必要」と提言(13年6月)している。
確かに、丁寧に大事に住んでいた住宅は十分そのままで使えるのだから、そこは正しく評価しないといけない。老後の生活資金を確保できるようにするためにも、住み替えを促進する方策の確立が急がれる。
表題の言葉は、大風が吹くといたんだ箇所の多い古い家には打撃である。弱点の多いものは、何もないときはよいが、いったんことがあるとぼろが出るの意。
「3日おくれの便りをのせて 船が行く行く波浮港」と都はるみさんが歌ったのは、64年、東京五輪の年だった。書き直したり、書き間違えたり、手紙を書くことはたいへんだった。さらに、届けてもらうには郵便屋さんの手をわずらわせた。時間もかかった。思えばのんびりしていた。今はメールで済んでしまう。一瞬にして届いてしまう。便利ではあるが、どこか風情がない。趣がない。それがちょっと寂しい。
知人から転居の葉書が届いた。家を処分して老人ホームに入ったようだ。さすがに、転居通知はメールというわけにはいかない。 (エッセイスト)






















