新住まいの「ことわざ」<179> 風呂屋の亭主 松岡英雄
住宅新報 2013年8月20日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
富士山が世界遺産に登録されたことはまずはめでたしである。自然遺産でなかったことを残念がる声もあるが、日本人と富士山の関わりからすれば文化遺産のほうが相応しい。自然遺産にならなかったことは、自然保護に対する姿勢について指摘されたわけで、それは謙虚に受け止めなければならない。
文化遺産になったことに貢献した先人がいる。あの「冨嶽三十六景」を残した葛飾北斎である。北斎は「ライフ」誌の企画(99年)〝この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人〟に日本人としてただ1人選ばれた天才絵師である。北斎の業績は世界では高く評価されており、そのことが今回の登録を後押ししたに違いない。
江戸時代には富士講が盛んだった。行けない人のために富士塚を作って富士山詣での代わりとした。富士見坂という地名もいっぱい残されている。それだけ、富士山に対する日本人の思いは独特なものがある。まさに文化である。ユネスコが富士山を文化遺産として認めたことは見識である。






















