新住まいの「ことわざ」<173> 蝦夷(えぞ)で暮らすも一生、江戸で暮らすも一生 松岡英雄
住宅新報 2013年7月2日 号 12面
連載: 新住まいの「ことわざ」
旧市街と新市街の違いは音だという。人の話し声や子供の泣き声が聞こえてくるのが旧市街、クルマの騒音ばかり聞こえてくるのが新市街。テレビのインタビューで欧州の都市に住む人が答えていた。
言われてみればその通りで、日本でも昭和30年代までは、街の音といえば、生活音そのものだった。道路は子供の遊び場だったから、日が暮れるまで元気な声が飛び交っていた。家の中からは話し声やラジオの音が聞こえてきた。それらの音をうるさいと感じたことはなかった。
今の建物はしっかりしているので音はほとんど漏れてこない。マンションに沿った道路を歩いても全くと言っていいほど、生活音が聞こえてこない。静かな街は悪くないけれど、暮らす人々の声や音が聞こえてこない街はなんだかちょっと寂しい気もしないではない。






















