トータルブレインのマンション最前線 小規模マンション事業 成功するための秘訣は 弱みを特徴に変える発想
住宅新報 2013年4月9日 号 7面

初月申し込み率比較
敷地が小さくスケールメリットがない小規模マンションは、商品性の魅力作りの難しさや建築費の割高さ、販売経費効率の悪さなど、事業展開が難しいと言われる。一方、首都圏市場の供給物件数の中で、過半数のシェアを持つ無視できない市場だ。では、どうすれば小規模マンションの分野で成功を掴めるのか。トータルブレインが、50戸未満マンションの好調事例の検証を踏まえ、その策をレポートにまとめた。
「小規模物件で成功するためには、ネックを特徴に変えていく発想の転換が必要」
レポートが指摘する最大のポイントは、ここだ。小規模物件の弱みは少なくない。敷地が小さく共用部の充実が図れないなど特徴作りが難しい点や、広告予算が取れず、集客ボリュームの確保が難しい点、建築費などが割高になるため、売値設定が割高にならざるを得ない点が挙げられる。
一方で、これらの弱みは「特徴」という言葉にも言い換えられる。例えば、敷地が小さいと、ワンフロアあたりの住戸は少なくなる。それは、高い比率で住戸の独立性や通風、採光が良好な角住戸を確保できることを意味する。また、集客ボリュームについて考えても、「小規模であれば、大量集客は必要ない」(レポート)。もちろん、販売経費が少ないため、「地元の掘り起こしが重要」(同)になるが、「ターゲットを絞り込め、商品企画のポイントを作りやすい」(同)という利点もある。
このほか、レポートでは、販売長期化リスクの低さや用地が比較的取得しやすいこと
を特徴に挙げる。
このうえで、レポートでは、12年に販売された(継続物件を含む)好調物件の事例検証を踏まえて、成功するための条件を4つ挙げる。好立地▽グロスのマッチング▽大型物件とは違う商品企画による差別化▽源泉営業にも対応できる販売力――だ。
好立地は最大の条件だ。好調事例を見ると、駅近や住環境はもちろん、公園隣接の希少性やブランド立地、地位の高い高級住宅街など様々なバリエーションが見られるという。
グロス設定の影響も、大きい。70m2前後のファミリー物件など、面積を抑え、グロスを意識した商品が好調事例に多く見られる。レポートは、「ターゲットのニーズや購入体力にグロスを含めた商品企画をマッチングさせることが第2の成功のポイント」と指摘する。
そのほか、商品企画の差別化では高い角住戸比率など、小規模物件の特徴を生かした事例が多い。また、地元を徹底的に掘り起こす販売力がものをいうケースも見られているという。
初月契約率は低いものの…
83.8%(100戸以上)、69.9%(50~99戸)、59.8%(50戸未満)――。
12年に首都圏で供給された物件の初月申込率だ。規模が小さくなるにつれて、初月申込率は低くなる。一見、大規模物件ほど、販売が好調のようにも思える。
しかし、トータルブレインがまとめたレポートでは、大規模物件と小規模物件との販売方法の違いが影響していると見る。大規模物件は、細かな期分けで分割分譲するのに対して、小規模は期分けせずに一発で全戸発売するケースが多い点だ。これが「販売率の差に表れているものと考えられる」(レポート)と指摘する。
実際、小規模物件の完売率は決して低くない。レポートによると、12年に販売された物件で、初月契約率が50%以上だった315物件のうち、153物件(49%)は、13年2月までに完売している。初月契約率が50%未満の物件を含めても、完売率は39%(477件中186件)ある。
こうしたことから、レポートでは、「(大規模と小規模は)初月契約率の差ほど、売れ行きの差はないと思われる」と言及している。
























