松岡英雄 新住まいの「ことわざ」 <141> 箒を逆さに立てると客が帰る
住宅新報 2012年11月13日 号 16面
連載: 新住まいの「ことわざ」
父方の叔父たちが訪ねて来ると、母は座敷箒を逆さに立てて、早く帰るおまじないだからね、と私の耳元でささやくことが度々あった。母は父方の人間とはなぜか反りが合わなかった。小学生の私にその理由などわかるはずもなかったが、この言葉だけはあの頃から知っていたことになる。
箒は平安時代から掃除用具として使われていたらしい。室町時代には箒売りという職業もあったという。箒にはその用途から、座敷箒、土間箒、庭箒などがある。座敷箒の中でもイネ科のホウキモロコシを使ったものを江戸箒と呼ぶ。関西ではシュロが使われる。土間箒はシダやヤシ、庭箒は竹が材料として使われている。
箒にまつわる言葉をいくつか。「女が箒をまたげば難産する」「箒が折れると縁起が悪い」「箒で人を叩くと叩いた者が先に死ぬ」「箒をかつぐと大きくならない」「箒を貰うと仲が悪くなる」など。






















