記者 顧問、お久しぶりです。
顧問 やぁ、どうも。ハウスメーカー担当になったらしいね。忙しいだろう。
記者 そうですね。結構、内覧会やら、事業説明会が多いですからね。
顧問 それで今日はなに? まさか、私の誕生日祝いに来てくれたわけじゃ、ないよね。
記者 (知らなかった!)それは、おめでとうございます。実はそれにも関係あるのですが、最近は長く暮らしてきた自宅の活用とか、定年を迎えて夫婦2人だけになってしまった家を、どうリフォームすれば快適に暮らせるのか、といった「暮らし」に関する商品発表が多くなっています。それで、住文化研究の第一人者である顧問のお話が伺いたくなりまして。
顧問 うむ。それには2つの背景がある。一つは、やはり経済的事情で、親も子世帯も未来に対する不安があるので、簡単には建て替える算段がつかないということだ。
もう一つは、日本社会から明確で標準化された価値基準が失われつつあるので、家族一人一人の生き方が多様化している。それに、住まいが対応しようと模索を始めたところだろう。
うん? それにも関係があるって、どういうこと?
記者 いや、あの。一人暮らしの高齢者が増えていますよね。そうすると、自分の誕生日といっても、どうなるのかなぁ、と。
顧問 早く、高齢者住宅にでも入って、みんなに祝ってもらえばいい、と言いたいのかね。
記者 いえいえ、そんな。顧問はまだまだお元気ですから。 ただ、業界がもっと真剣に「暮らし方」を考えなければいけないのは、一人暮らしの高齢者の住まいではないかと…。
顧問 その通りだよ。単に上モノを作って、介護とか食事とかのサービスをつければいいというものではない。そこに、どういう理念を吹き込むかだ。
スタッフが心からやり甲斐を感じられる高齢者住宅とはどうあるべきか、とか。家族や友人が気軽にやってきて、楽しい時間を過ごせるためには何が必要かなど、研究しなければならないことは多い。
記者 高齢化が加速して量が不足するからといって、質のことを忘れてしまったら、日本人の老後は救われませんよね。
顧問 住宅・不動産業界からの高齢者住宅事業参入の動きが活発化し始めたようだが、建物だけではなく、介護事業そのものにも挑戦してもらいたい。そこに暮らす人と直に接していなければ、住まいのあり方も分からないと思うんだよ。
記者 高齢者住宅を対象にした「ヘルスケアリート」創設の検討委員会が始まりましたが、課題は多そうです。
顧問 量と質の確保を同時に実現するためにはリートを活用することだよ。投資家の視点を通すことで、長期安定的に収益を上げることができる高齢者住宅の真髄が見えてくるはずだ。























